公開日:2015年10月4日
最終更新日:2017年1月2日

スワップ派のトレードといえば、円を含む通貨ペアが一般的でしょう。例えば、豪ドル/円(AUD/JPY)です。スイスの政策金利の低さに注目する場合は、スイスフランを含む通貨ペアでスワップ派をしているかもしれません。例えば、ニュージーランドドル/スイスフラン(NZD/CHF)です。

今回は、円やスイスフランを含まない通貨ペアである豪ドル/米ドル(AUD/USD)のスワップ派の成否について考察します。

果たして、過去においてAUD/USDのスワップ派を採用した場合、成功したでしょうか。

 

豪ドル/米ドル(AUD/USD)のスワップポイント推移

くりっく365では、取引可能な通貨ペアの過去データを公開しています。その中には、スワップポイントの推移も含まれています。そこで、くりっく365のデータを使って、AUD/USDのスワップポイントの推移を概観しましょう。

下のグラフをご覧ください。豪ドル/米ドル(AUD/USD)を1万通貨買って継続的に保有した場合の、1か月間のスワップポイントの大きさを示したグラフです。くりっく365でAUD/USDが取引できるようになったのは2008年10月下旬ですから、スワップポイントのデータもそれ以降となっています。

縦軸の単位は米ドルです。リーマンショック後、円を含む通貨ペアのスワップポイントは大幅に小さくなりました。
→ 長期のスワップポイントと長期チャート(5通貨ペアの比較)

しかし、豪ドル/米ドル(AUD/USD)は様相が異なっています。2009年から2011年にかけてスワップポイント益が大きくなっています。そしてその後、なだらかに減少している様子が分かります。この推移は、AUD/JPY(豪ドル/円)と似ています。

そこで、政策金利の推移のグラフを確認しましょう。政策金利は2001年からのグラフです。

米国は2007年に金利引き下げトレンドに入っていますが、オーストラリアは2008年になっても金利引上げトレンドを継続しています。2008年に入ってから引き上げ速度が速くなったようにさえ見えます。

そして、米国は2009年早々に金利がほぼゼロに到達し、少し遅れてオーストラリアも当時の最低値である3.0%に引き下げられました。

米国はその後ずっと低い政策金利が続きました。しかし、2015年12月に政策金利が引き上げられ、2016年12月にも再度引き上げられました。FOMC(米国の政策金利を決定する機関)の予想によると、2017年も引上げが継続する見込みです。

すると、豪州と米国の政策金利は逆転するでしょうか。逆転すると、豪ドル/米ドル(AUD/USD)を買うときのスワップポイントは、マイナスになる可能性が高くなります。今後の推移に注目しましょう。

 

豪ドル/米ドル(AUD/USD)のチャート

次に、2008年10月以降の豪ドル/米ドル(AUD/USD)の推移を、チャートで確認しましょう。

2013年に入ってから米ドル高に推移していることが分かります。すなわち、スワップ派としては都合の良い動きになっています。安値のときに買い、将来高値になれば、スワップポイント益に加えて為替差益も得られるということになります。

では、AUD/USDを今買っても良いのでしょうか。

注意点がいくつかありますので確認しましょう。

1 どちらかと言えば、現在はまだ下落トレンドです。

2011年の高値に比べると、現在はかなり安くなりました。しかし、まだ下落トレンドが終了したとは言えないでしょう。このため、今AUD/USDを買うと、含み損になる可能性がありますので注意しましょう。

2 米国が政策金利を引き上げる可能性があります。

米国は政策金利の引き上げトレンドに入っているように見えます。一方、オーストラリアの政策金利はまだ引き下げトレンドのままという評価ができます。

これはすなわち、金利差の縮小(または逆転)を意味します。これにより、日々得られるスワップポイントが小さくなる可能性があります。あるいは、マイナスになる可能性もあります。また、景況感の違いから、AUD/USDが一段と安くなる可能性があります。


以上の注意点があるものの、少なくとも2008年後半から記事投稿時点までについて言えば、スワップ派でAUD/USDのトレードをしていた場合、スワップポイントを毎日受け取ることが可能でした。

政策金利差から判断すれば、21世紀に入ってからずっと、プラスのスワップポイントを得ることができたといえるでしょう。

 

AUD/USD(豪ドル/米ドル)のスワップ派をいつ始めるべきか

では、スワップポイントがマイナスになることはないと考える場合、AUD/USDのスワップ派をいつ始めるのがベストでしょうか。教科書的には「底値で買うのがベスト」ということになります。

しかし、それができるなら苦労はありません。どんな通貨ペアでも、どんな株式でも簡単に勝てるでしょう。このため、「底値で買うことはできない」という前提で考えます。この場合の案として、以下の方法があります。

スワップ派を始めるタイミングの案:
1 「かなり下落したな」と思ったら、少しだけ買う。
2 過去最低値を超えて下落しても大丈夫なように、ポジション量に気を付けながら、レートが下落するたびに少しずつ買う。

過去最低値で買うことができないなら、このようにして少しずつ買うことを検討できるでしょう。

なお、為替レートが底値を付けて上昇を始めてから買うというのは、意外に難しいと思います。

というのは、「先日あれほど安値だったのに、価格が上昇した今買うのは何だかもったいない。再び下落するのを待とう。」と考えているうちにさらに為替レートが上昇してしまって、結局買えない・・・ということがありうるからです。

そして、買うことができたら、獲得したスワップポイントを使ってさらに買うと面白いかもしれません。スワップポイントの複利運用です。複利運用について特集記事を作成していますので、ぜひご覧ください。
→ 「複利運用のスワップ派」特集ページ