公開日:2015年9月3日

米国の経済状況を知るには、様々な指標があります。
政策金利、GDP成長率、失業率、雇用統計、物価上昇率・・・一体いくつあるのでしょう?

ツールが多いのは助かるのですが、逆に、あまりに多すぎて全てを確認するのは困難です。また、ある経済指標と別の経済指標の間には、どんな関係があるのでしょうか。こう考えていくと、途方もない作業が必要になってしまいます。

米国経済専門家!というレベルにならないと、分析困難になってしまいます。

しかし、連邦準備制度(米国の中央銀行)が米国経済をどのように考えているか?を簡単に把握できます。
それが、ベージュブック(Beige Book)です。

1年に8回、連邦準備制度が米国経済を評価した報告書です。
表紙の色がベージュ色だったことから、この名前がついたようです。

米国経済に関する専門家集団が、あらゆる面から米国経済を分析した結果。これがコンパクトにまとめられています。ベージュブックを有効活用しましょう。

 

ベージュブックの構成

米国は12の地区に分けられており、それぞれの地区が経済状況を報告しています。
そして、そのまとめが一番最初に書かれています。
ベージュブックそのものはとても文章が多いのですが、最初の章だけ読めば、おおよその状況が分かります。

さらに、文章の書き方はいつも同じです。
このため、英語があまり得意でないという場合も、しばらく根気よく読み進めていけば、そのうちスラスラと読めるようになるでしょう。

なお、ベージュブックでは”modest”と”moderate”を使い分けています。
英和辞典を見ても、その区別はとても難しいです。筆者の印象では、日常生活では同義語としても使用可能だと思います。

簡単に書きますと、moderateはmodestよりもペースが速いと考えてよいでしょう。

 

ベージュブックの内容(2015年9月)

では、9月2日に公開されましたベージュブックの内容を簡潔に確認しましょう。

2015年7月~8月半ばについて:
・ ほとんどの地区および分野で、経済活動は拡大している。
・ 7月のベージュブックで報告した状況が継続している。
・ 製造業:拡大中
・ 小売:拡大中
・ 非金融サービス:拡大中
・ 不動産:拡大中
・ 農業:地域ごとに様々
・ 労働需要:控えめに拡大中

地域にごとに経済活動の状況は様々ではありますが、概ね米経済は順調に拡大中だと考えることができます。

ただし、この報告書は最近の株式市場の暴落を含む金融市場の動揺を含んでいません。報告書が考察した期間の後に発生した事柄だからです。金融市場の動揺が米経済にどのような影響を与えているのか、次回のベージュブックで確認しましょう。