公開日:2015年10月1日

IMF(国際通貨基金)は、2015年9月30日にオーストラリア経済に関する評価を公表しました。その評価の中でIMFは、豪州の政策金利の更なる低下を予想しています。そこで、この評価内容を概観しましょう(引用元:IMFホームページ)。

 

IMFによる豪州評価

IMFは豪州経済について様々な面から評価しています。ここでは概略を紹介します。

・ オーストラリアは、鉱業投資減少と交易条件悪化に直面している。
・ 国内最終需要の弱さと投資減少により、2015年の実質GDP成長見通しは2.2%の見込である。
・ 商品価格下落とともに為替レートも減価し、豪ドルの過大評価が緩和された。
・ 経済が弱いため政策金利を引き下げたが、これが不動産価格高騰を引き起こしている。
・ 公的債務のレベルは低いものの、上昇している。
・ 経済成長のために、今後も政府の努力が必要である。
・ 経済の回復(リバウンド)が期待外れならば、さらなる政策金利引き下げもありうる。
・ 厳しい事態に備え、銀行は資本を厚くする必要があるかもしれない。
・ IMFの評価者は、豪州の不動産価格高騰に懸念を表明。

 

豪州政策金利見通し

IMFによる豪州政策金利見通し(年間平均)をグラフ化しましたのでご確認ください。
column20151001

このグラフを見ると、2015年の政策金利が最も低いです。2016年も低水準で推移するという予想ですが、2015年よりは高いという予想です。そして、その後は徐々に上昇すると見込まれています。

なお、2015年の政策金利は1.7%(年間平均)とIMFは予測しています。

2015年10月1日現在のオーストラリアの政策金利は2.0%です。年間平均で1.7%にしようと思えば、今年末の政策金利を1.50%またはそれよりも低い水準にしなければならないでしょう。

年内のオーストラリアの政策金利発表予定は以下の通りです。

10月6日(火)
11月3日(火)
12月1日(火)

政策金利を決定するのは豪州準備銀行であってIMFではありません。しかし、IMFの見通しが正しいと仮定するならば、残り3回の政策金利発表で、2.0%の政策金利がさらに引き下げられる可能性があります。

とはいえ、IMF予想では2016年から再び上昇トレンドになると予想されています。すなわち、豪州経済の復活です。将来の予想は予想であって、必ず当たるというわけではありませんが、IMFはオーストラリア経済に悲観一辺倒というわけではないことが分かります。

 

なお、オーストラリア経済は弱い状態ですが、不動産価格は高騰しています。価格上昇率は10%、シドニーに限れば18%です。オーストラリア経済の状態とかい離したこの上昇に対して、IMFの評価者は懸念を表明しています。

政策金利がさらに引き下げられるとすれば、金利低下を反映して、さらに不動産投資を促す結果になるかもしれません。オーストラリア政府によって適切な政策が実施されるかどうか、注視する価値があるでしょう。