公開日:2015年8月4日

豪州準備銀行(オーストラリアの中央銀行)は、政策金利を2.0%で据え置きました。同時に発表されたステートメントを見ますと、今までとは大きな違いを確認できます。今回はその点を中心にお届けします。

ステートメントの変更点

ステートメントとは、政策金利発表と同時に公表される文書です。
この文章で、豪州準備銀行が政策金利を変更するか維持するかの決定を知ることができます。
また、その決定に至った理由を簡潔に把握することができます。

このステートメントは政策金利発表時に毎回公表されますので、その文章の書きぶりの変遷を見れば、豪州準備銀行が何を考えているのか、考え方がどのように変遷しているのかを垣間見ることができます。

 

前回2015年7月のステートメントと比較すると、以下の文章がごっそり削除されています。文章の引用元はRBAホームページです。

The Australian dollar has declined noticeably against a rising US dollar over the past year, though less so against a basket of currencies. Further depreciation seems both likely and necessary, particularly given the significant declines in key commodity prices.

邦訳しますと、以下の通りです。
「豪ドルは米ドルに対して、ここ1年で著しく下落した。しかし、通貨バスケットに対してはそうでもなかった。主要な商品価格の著しい下落を考慮すれば、更なる豪ドルの下落がありそうであり、かつ必要であると思われる。」

この表現は、今までのステートメントで繰り返し表明されてきたものであり、要人も豪ドルが高いと発言してきました。

今回、この文章が完全に削除されました。それはすなわち、豪ドルは十分に弱くなった、あるいは、(まだ十分に下落していないけれども)ステートメントにあえて書くほどではなくなった、ということを示していると考えられます。

この記事を掲載した時点の為替レートを確認しますと、豪ドル/米ドルは0.73台まで下落しています。
豪ドル/円(AUD/JPY)はまだ円安水準だといえそうですが、それでも、2か月前に比べて5円以上円高(豪ドル安)になっています。
ユーロ/豪ドル(EUR/AUD)は、2015年4月を底にして上昇トレンド(豪ドル安トレンド)にあります。

そこで、この水準よりもさらに大幅に豪ドル安になることは、中銀の立場から見ると望ましくないと考えている可能性があります。
あくまで可能性にとどまりますが、豪ドルは安くなるべきだという文章が削除されたことは、豪ドル安のトレンドに歯止めをかける契機になるかもしれません。