公開日:2015年10月22日

昨晩(2015年10月21日午後11時)に、カナダの政策金利が発表されました。大方の予想通り、0.5%で据え置きとなりました。カナダ銀行の公開文書を確認しましょう。

 

カナダ銀行のステートメント要旨

・ 翌日物金利目標値(政策金利誘導目標)を0.5%に据え置く。
・ インフレ基調は、カナダ銀行の金融政策報告に沿った動きである。
・ 弱い経済基調とカナダ銀行の政策金利引き下げが打ち消しあい、コアインフレは2%付近にある。
・ インフレ基調は1.5%~1.7%あたりである。
・ 2016年と2017年に世界経済は上向くというダイナミズムは失われていない。
・ 中国の不確実性が原油や商品価格に下向きの圧力をもたらしている。
・ 2016年以降、安いエネルギーと低い政策金利の前向きな効果が明らかになるだろう。
・ カナダの非資源セクターは力強さがよりはっきりしてきている。
・ 家計支出がカナダ経済の下支えであり、緩やかなペースで増加することが期待される。
・ 原油及び商品の価格下落がカナダの交易条件を悪化させている。
・ これが、カナダの成長見通しのわずかな下向き修正に反映されている。
・ カナダの潜在成長力から判断すると、2017年半ばに経済のゆるみがなくなるだろう。

 

簡潔な分析

カナダは資源国ですから、資源価格の上昇または下落がカナダ経済に大きな影響を及ぼします。今回のGDP成長率見通しの引き下げは、これを反映していると考えられます。

政策金利発表と同時にカナダの金融政策報告が公表されていますので、予測部分の表を確認しましょう(カナダ銀行ホームページから引用)。

 

201510canada-projections

2015年第4四半期~2017年第2四半期にかけて、カナダのGDP成長率予測が下方修正されています(四半期比較の部分。表の一番上の行です)。一方、コアインフレは前回7月の予測とあまり変化がありません。むしろ、少し上方修正しているようにも見えます。

カナダにおいても中国経済の変調が大きな影を落としていますが、ステートメントの文章全体から得られる印象は楽観的だといえるでしょう。

 

さて、今回の政策金利発表を受けたカナダドルの動きですが、短期的には以下の通りの反応となりました。
カナダドル/円(CAD/JPY): 100銭ほどの円高
(米ドル/カナダドル)USD/CAD: 150pips弱ほどの米ドル高

カナダドル安で反応しています。政策金利は据え置きで大方の市場予想と一致していたのですが、GDP成長率見通しが全般的に下方修正されたことがその原因ではなかろうか、と予想できます。