公開日:2015年10月23日

日本時間の昨晩遅くに公表された欧州中央銀行(ECB)の政策金利は、0.05%に据え置かれました。しかし、ユーロは他の通貨に比べて大幅に安くなりました。そこで、政策金利公表後の記者会見の模様を概観しましょう。

データ等の引用元は欧州中央銀行(ECB)ホームページです。

 

ドラギ総裁の記者会見要旨

・ 欧州中央銀行(ECB)の主要な政策金利を維持する。

・ 非伝統的な金融政策に関し、資産購入は順調に進んでおり、良い影響を与えている。
・ ユーロ圏の内需は底堅い。
・ しかし、新興国経済の成長見通し等への懸念があり、成長とインフレの下向きシグナルが継続している。
・ よって、12月の金融政策会合で金融緩和の程度について再検証が必要になるだろう。
・ 適切な金融緩和を継続するために、全ての利用可能な手段を使って行動する。
・ 月間60億ユーロの資産購入は少なくとも2016年9月まで継続する。

・ GDP成長率は2015年第2四半期に、前四半期比で0.4%上昇した。その前は0.5%であった。
・ これは内需と外需に支えられており、この継続を期待している。
・ 内需は金融政策と構造改革による下支えが依然として必要である。
・ 原油価格下落も経済成長に寄与するだろう。
・ しかし、内需はバランスシート調整と構造改革の遅れにより阻害されている。

・ インフレ率は引き続き低く推移する見込みであるが、年明けから上昇するだろう。
・ しかし、下向きのリスクも存在する。

・ ユーロ圏経済の回復のためには金融政策のみならず、他の政策分野がそれぞれ貢献することが必要。

 

簡潔な分析

ユーロ圏経済は回復しているとしつつも、それを阻害するリスクについて多くを語っており、全体としては下向きの雰囲気が漂う内容です。

今回の会合では政策金利や非伝統的な金融政策を維持するとしましたが、12月には見直すとも述べています。リスクに対応するための見直しですから、政策金利引き上げでもなく、伝統的な金融政策の縮小でもないでしょう。さらなる金融緩和の可能性があります。

これを受けて、ユーロは急落しました。

ユーロ/円(EUR/JPY): 135.60円くらいから、133.80円くらいまで円高(180銭ほどの円高)
ユーロ/米ドル(EUR/USD): 1.132ドルくらいから、1.1100ドル割れまでドル高(200pips以上の米ドル高)

今後も引き続きユーロ安が続くのか、12月の会合でさらなる金融緩和が決定されるのかに注目です。また、今回の発表を受けて日銀の政策判断にどのような影響を与えるのかについても、興味深いでしょう。