公開日:2015年11月14日

2010年ごろからギリシャの財政状態悪化が顕在化し、ギリシャ危機と呼ばれるようになりました。その危機は2015年にクライマックスを迎えたように見えます。

2015年7月の国民投票などもありましたが、紆余曲折の結果、ギリシャはユーロ圏諸国やECBなどからの支援を得ることができました。その後、ギリシャの話題はニュースから消えてしまったように見えます。

そこで、現在のギリシャの状況がどうなのか、長期金利の推移から推測してみましょう。

 

ギリシャの長期金利推移

下のグラフをご覧ください。ギリシャの長期金利推移です(引用元:ECB)。縦軸は%、横軸は年代です。

20151114-greece-interest-rate

1993年ごろ、ギリシャの長期金利は25%くらいでした。その後徐々に下落している様子が分かります。すなわち、ギリシャの信用力が上昇していたということです。

そして、2000年代に入ると5%くらいで安定しています。

2007年のサブプライムローン問題、2008年のリーマンショックの時期もなお5%前後で推移していますが、2010年ごろから急変します。ギリシャ問題の発生です。この時はギリシャだけでなく、ポルトガル・イタリア・アイルランド・スペインも問題国とされていました。いわゆる「PIIGS問題」です。

状況は悪化する一方であり、一時は金利が30%あたりまで跳ね上がったことが分かります。

この時は何とかしのいで、金利も急速に下落しています。金利の下落とはすなわち、債券価格の上昇です。よって、金利が30%のころにギリシャ国債を購入した投資家がいれば、その人はこの金利低下局面で大きな果実を手に入れた可能性があります。

しかし、安定期は長くは続きませんでした。2014年から再び長期金利が上昇し始めます。

2015年になるとギリシャへの支援期間も終了し、支援を受け入れるかどうかを問う国民投票も実施されました。ギリシャのユーロ脱退も現実味を帯びながら議論されました。大混乱の末に結局支援継続が決まり、現在に至ります。

この様子が金利の推移に表れています。現在は再び金利が低下に向かっています。ただ、これはギリシャの信用力を担保にしたものではなく、ECBなどの支援を頼りにした金利低下だと考えられます。このため、今回の支援期間が終了する2018年に再び混乱がやってくる可能性がなくはありません。

今後もギリシャの様子から目を離せないでしょう。ギリシャがニュースに出てくる頻度はとても小さくなりましたが、突然出てきてもびっくりしないようにしたいです。

 

なお、金利水準を見ると、2011年~2012年にかけては30%くらいもあったのに比べれば、ギリシャがユーロから脱退するか?と噂された2015年の金利がとても低いように見えます。

そこでECBのデータベースを確認しますと、2015年7月のギリシャの長期金利データがありません。この時は混乱がクライマックスを迎えていたため、金利がつかなかった(=売買が成立しなかった)のかもしれません。

年率30%という数字があるということは、売買が成立していたということです。数字がない理由が売買不成立だったとすると、この時の混乱は2011年~2012年よりもはるかに大きなものだったと考えられます。