公開日:2015年12月10日

ニュージーランド準備銀行(ニュージーランドの中央銀行)は、市場予想通り政策金利(Official Cash Rate)を0.25%引き下げて2.5%としました。今後の追加の金融緩和等について何か示唆があるかどうかを含めて考えましょう。

 

ステートメント要旨

・ 政策金利を0.25%引き下げて2.5%にする。
・ 金融の景気刺激策にもかかわらず、世界経済の成長は鈍く、インフレ率も低い。
・ 市場は中国を中心とする新興国の状況に不安を抱いている。
・ また、市場は米国の政策金利引き上げも注視している。
・ 2015年を通じ、交易条件の悪化によりニュージーランド経済は軟化した。
・ 大きな移民流入により、労働需給にたるみを確認できる。
・ 人口増による需要増が来年に見込まれる。

・ ニュージーランドドルは8月以降上昇し、4月以降の下落を一部で逆転している。
・ 為替レートの上昇は望ましくなく、さらなる下落が適切である。
・ オークランドにおける住宅価格上昇が継続しており、リスクである。
・ しかし、住宅価格高騰が穏やかになる初期の兆候がある。

・ インフレ率はターゲットの1%~3%を下回っている。
・ ニュージーランドドルが強くなったことと、2014年半ばからの原油価格下落が主な原因である。
・ 2016年初めから、ターゲットの範囲で推移すると予想される。

・ この経済見通しには数多くの不確実性がある。
・ 酪農製品価格の弱含み、エルニーニョ現象の影響、移民流入による住宅価格高騰などである。

 

簡潔な分析

ニュージーランド準備銀行は、為替レートが強含みで動いていることを不満に感じているようです。そこで、昨年半ば以降のニュージーランドドルの値動きを確認してみましょう(週足)。チャートは楽天証券(旧FXCMジャパン証券)から引用しました。

・ニュージーランドドル/円(NZD/JPY)

201512nzdjpy

・ニュージーランドドル/米ドル(NZD/USD)

201512nzdusd

確かに、今年8月以降はニュージーランドドルが強くなっています。しかし、それまでの下落がとても大きいので、この8月以降のニュージーランドドル高を主要な問題として扱うのは少々無理があるのでは?というのが率直な感想です。

ニュージーランドドルが本格的に上昇してしまう前の牽制なのかもしれません。

なお、今後の政策金利の方向には特に示唆がありません。このステートメント発表後の総裁発言を見ますと、必要ならば利下げをするけれども、利下げは住宅価格高騰リスクを招くという趣旨の発言があります。利下げへのハードルは比較的高いと判断できるかもしれません。

しかし、ステートメントにあるように、準備銀行は不確実性が高いと認識しています。予断を持って行動せず、情報を丹念に集める姿勢が必要でしょう。