公開日:2015年10月15日

米地区連銀経済報告(ベージュブック)は年8回公開されます。すなわち、1か月半ごとです。

「ベージュブックは米連邦準備制度(FRB)のスタッフによる評価ではありません」とFRBのホームページに書いてあるのですが、FRBが公開する文書です。このため、今後政策を変更するのかしないのか、変更するならばいつなのか。これらを読み解くのに重要な資料となります。

また、ベージュブックの特徴としては、いつも同じパターンで書いてあるため読み易いということがあります。

では、日本時間で本日公開された最新のベージュブックの内容を確認しましょう。
参照したベージュブックはFRBホームページに掲載されています。

 

ベージュブック要旨(2015年10月)

・ 8月半ばから10月初めにかけて、経済は引き続き穏やかに拡大した。
・ 米国内の経済主体は、直近の経済見通しについて概ね楽観視している。
・ 個人消費:拡大中
・ 製造業:まちまちだが、概して弱い
・ 非金融サービス:拡大中
・ 不動産:さらに拡大中
・ 農業:地域ごとに様々
・ 労働需要:拡大中

 

ベージュブックは様々な項目について報告していますが、比較的注目度が高いと思われる、個人消費と労働需要について確認しましょう。10月はどのような評価でしょうか。

個人消費
・ 個人消費は穏やかに拡大している。
・ カンザスシティ地区連銀を除き、非自動車の個人消費は穏やかに拡大
・ 自動車販売は概ね拡大
・ 旅行は地域ごとにまちまち。強いドルが抑制要因となっている。

労働需要
・ 労働需要は概ね引き締まっている。
・ 熟練労働者の確保が難しくなっている。
・ 製造業などで一部弱い動きがみられる。
・ 賃金上昇圧力は引き続き抑制されている。

 

前回のベージュブックとの比較

ベージュブックの第一段落で、全体の概要が書いてあります。ここを読めばおおよその内容が分かりますが、前回9月よりも後退したような印象を受けます。例えば、以下の通りです。

(10月)
経済は引き続き穏やかに拡大しているものの・・
・ カンザスシティ地区連銀は、経済の鈍化を報告
・ リッチモンド地区連銀及びシカゴ地区連銀は、前回よりも経済が減速したことを報告
・ 多くの地区連銀が、強いドルが製造業と観光を抑制していると報告

(9月)
・ カンザスシティ地区連銀は、経済の穏やかな成長を報告
・ 全体的に経済の拡大が継続

引き続き経済が拡大していることに変化はないようですが、前回のベージュブックと比較すると、経済の弱さを示す単語が増えています。一方で、短期的な将来の見通しは楽観的だという報告です。

これがFOMCの政策決定にどのような影響を与えるでしょうか。

ベージュブックは多少弱い表現となりましたが、経済が拡大しているという基調に変化はないようです。このため、年内に政策金利を引き上げると考えている市場参加者が依然として多いだろうと予想しますが、政策金利にどのように反映されるでしょうか。今月末のFOMCの結果を待ちましょう。