公開日:2015年10月29日

本日未明(午前3時)に、米国の政策金利が公表されました。0%~0.25%で据え置きでした。これは市場予想と同じという結果です。年内に利上げをする場合、次のFOMCは12月です。臨時会合を開催して利上げをするのでなければ、年内の利上げチャンスは1回のみです。

果たして、12月に利上げはあるのでしょうか。公表文書(ステートメント)を読んでみましょう。(情報引用元:FRBホームページ

 

ステートメント要旨

・ 経済は緩やかなペースで回復している。
・ 最近数か月は様々なセクターで回復がみられるが、輸出は改善ペースが緩やかである。
・ 労働市場の改善は鈍化したが、失業率は安定している。
・ 労働資源使用のたるみは年初から減少している。
・ エネルギー価格と輸入物価を反映し、インフレはFOMCの長期目標を下回っている。
・ 経済はゆっくりとしたペースで回復し、労働市場も改善すると見込む。
・ インフレーションは、中期的に2%に向けて徐々に上昇すると予想する。
・ 最大限の雇用と物価の安定を促進するため、政策金利を0%~0.25%に据え置く。
・ 量的緩和を引き続き維持する。
・ 金融緩和の程度を減じる際には、労働及びインフレーションの長期的な目標とのバランスも考慮する。
・ ラッカー連銀総裁が、0.25%の政策金利引上げが妥当として採決に反対した。

 

簡潔な分析

前回の公表文書と今回を比較すると、今回のほうが文章が短いです。ということは、どこかの文が削除されているはずです。その削除がFOMCの意思や見通しの変化を反映していると予想できます。削除された部分を探しますと・・・

Recent global economic and financial developments may restrain economic activity somewhat and are likely to put further downward pressure on inflation in the near term.

上の文が削除されています。

ざっくりと翻訳しますと、以下の通りです。「最近の世界的な経済と金融の動向は経済活動をいくらか抑制しているかもしれず、それが短期的にインフレーションのさらなる下押し圧力となっているようである。」

この文が削除されました。すなわち、FOMCは、世界経済が米国経済を後退させるリスクがいくらか緩和したと考えているのかもしれません。少なくとも、ステートメントに明示的に書くほどではなくなったということでしょう。

 

また、以下のとおり単語が変わっています。

前回9月:
いつまで政策金利を維持するかを決定するに際して、FOMCは2つの政策目標に対する進展度合いを評価する。

今回10月:
次回の会合で政策金利を引き上げることが適切か否かを決定するに際して、FOMCは2つの政策目標に対する進展度合いを評価する。

削除された文、そして上の表現変更を考えますと、もはや政策金利をいつまで維持するか?がトピックではなく、次回引き上げるべきかどうかという話になっているようです。政策金利引き上げの可能性は今までよりも高くなったと予想します。

政策金利発表を受けて米ドルが強くなりました。上の諸点が影響しているのかもしれません。