公開日:2015年12月17日

アメリカ合衆国(米国)が政策金利を引き上げました。新しい政策金利は0.25%~0.50%です。引き上げは2006年6月以来のことですから、もう10年近くも引き下げトレンドだったということになります。FOMCが公表したステートメントを確認しましょう。

 

ステートメント要旨

・ 経済活動は穏やかに拡大中、家計消費および民間固定投資も底堅く推移、住宅部門も改善
・ 純輸出は軟調
・ 労働市場は改善、労働市場のたるみは明らかに減少
・ インフレーションは目標値を下回っている
・ インフレの長期見通しも下がり気味である
・ FOMCは、経済が拡大を継続し、労働市場が今後も強くなると予想
・ インフレ率は中期的に2%に上昇すると予想。エネルギー価格及び輸入価格下落の影響がなくなり、労働市場がさらに強くなるため。
・ 政策金利を0.25%~0.50%に引き上げると決定
・ 金融政策は引き続き緩和的
・ 今後の政策金利引き上げは経済状況次第
・ 経済状況は、政策金利を徐々に引き上げる程度の拡大になると予想
・ 債券の利金再投資、および償還資金を再投資する政策を維持する

 

簡潔な分析

ようやく米国の政策金利が引き上げられました。FOMCがあるたびに「今回は引き上げられるか?」と市場に動揺が走ってきたのですが、この機会にこの種の動揺は収まるかもしれません。

しかし、「金融政策は引き続き緩和的」「今後の政策金利引き上げ(adjustments)はデータ次第」としており、今後の引き上げペースは緩やかになると予想されます。

そこで、同時に発表されました政策金利予想を確認しましょう。これは、FOMC参加者による、各年の年末時点の政策金利予想です。

201512政策金利見通し

2015年は0.375%で横並びとなっています。今回の政策金利引き上げが反映されています。2016年末の政策金利予想は0.875%~2.125%であり、かなり広い範囲に散らばっています。最も多くの支持を集めたのは1.375%です。今後1年間で政策金利は1%程度の引き上げがあるのかもしれません。

FOMCは年8回ありますから、FOMCを開催するたびに政策金利を引き上げるだろうと考えているFOMC参加者が少ないことを示します。

その後、緩やかながら政策金利が引き上げられると全員が予想しています。すなわち、経済は再び下落するよりも拡大する方がメインシナリオだと考えているとわかります。

そして、政策金利の長期的な均衡水準は3.00%~4.00%となっています。前回の政策金利引き上げトレンド終了時の政策金利は5.25%でしたから、かなり低い数字にとどまるということがわかります。債券のクーポンを得ようとする投資家にとって、あまり面白くない予想かもしれません。