公開日:2016年3月3日

米国のベージュブックが公表されました。全体として経済の拡大が続いていると分かります。概要を確認しましょう(引用元:FRBホームページ)。

FRBは12の地区連銀で構成されており、それぞれの連銀が、その地区のビジネスパーソン(銀行、支店長、キーとなるビジネスマンなど)にヒアリングしてまとめたものです。このため、FRBの経済見通しを示すものではありませんが、重要な参考指標であることに変わりはありません。

ベージュブックの要旨

・2016年1月に比べて、12地区のうち11地区で経済活動が維持または拡大した。
・カンザスシティが、わずかに下落した。
・全米を通じて、経済成長について楽観的である。

・消費支出は拡大
・非金融サービスはわずかに拡大
・製造業は維持(ただし、地区ごとに状況が異なる)
・住居用不動産販売は拡大
・金融サービスはわずかに拡大
・農業は維持またはわずかに縮小
・労働市場は改善が継続

簡潔な考察

リーマンショック以来、先進国は政策金利を大幅に引き下げてきました。

その中で、いち早く政策金利引上げを試みたのはオーストラリアでした。しかし、それは継続せず、再び下落トレンドとなりました。次に政策金利を引き上げたのはニュージーランドでした。しかし、結果は豪州と同様でした。

そして、2015年12月に米国が政策金利を引き上げました。FRBの要人等の発言報道を見ますと、政策金利は引き続き引き上げ方向にあると分かります。

今回のベージュブックは、それを補強する内容だといえるでしょう。

経済分野別で確認しますと、製造業の拡大の足取りが鈍いようです。ベージュブックの要旨をもう少し詳細に見ますと、以下の通りです。

・エネルギー分野からの需要が弱い
・エネルギーコストの低下が鉄鋼業に恩恵をもたらしている
・強いドルと弱い世界経済見通しが、輸出にマイナスの影響をもたらしている

製造業の拡大の足取りが鈍い理由はエネルギーセクターと輸出にあるようです。しかし、エネルギー価格の低下は製造コストや消費者が支払うべきコストの低下を引き下げますので、中長期的にはプラスの影響が勝ると予想できます。

弱い世界経済見通しは、米国だけでどうにかできるものではありません。日本、中国、ヨーロッパ、いずれも経済状況は弱いです。日本はマイナス金利を導入、ユーロ圏も引き続き金融緩和継続、中国では先日、預金準備率を引き下げています。

このような状況でも、米国は全般的に経済活動が活発化しています。この流れが世界全体に波及し、経済成長が再び上向きになることに期待しましょう。