公開日:2016年4月7日

2016年4月時点で、米ドル/円(USD/JPY)はかなり円高になってきました。110円を割り込み、この記事を執筆している時点では109円台で推移しています。

2015年は米ドル/円(USD/JPY)=125円を記録したこともありますので、1年の間に15円以上円高になったということです。ということは、そろそろ米ドル/円(USD/JPY)を買って長期で持つというスワップ派のトレードを考慮しても良い時期でしょうか。

今回はこれを考察します。

 

過去10年の米ドル/円(USD/JPY)の値動きを確認

まず、過去10年以上の米ドル/円(USD/JPY)の推移を確認しましょう。2006年から2007年にかけて円安になり、その後円高です。2012年ころまで円高傾向が続きました。そして、2012年以降はいわゆる「アベノミクス」の影響もあってか円安トレンドに転換しました。

2016年4月現在は円高トレンドになっています。

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このチャートを見て言えるのは、「現在の米ドル/円(USD/JPY)は大きな円高だとは言えない」ということです。

2011年~2012年にかけて計測した円高記録は、75円台です。現在は110円前後です。円高記録を基準にすると、いまだ50%弱も円安水準にあります。

ということは、今または近いうちに米ドル/円(USD/JPY)を買ってスワップ派を始めるのは不適切・・・という理解で良いでしょうか。

 

日米の景況感格差、世界経済の脆弱性

しかし、上のチャートを見ただけで、スワップ派を始めるのは不適切と言い切ることもできません。というのは、日米の経済状況が大きく異なるためです。

米国:
1 景気はおおむね順調に拡大中。
2 ゆっくりとしたペースながらも、政策金利は継続的な引き上げを視野に入れている。
日本:
1 公式には景気は拡大中ながら、その実感は乏しいのでは?
2 政策金利引上げの段階になく、むしろ、さらに金融緩和する可能性も否定できない。

米国が政策金利を継続的に引き上げ始めると、米ドル/円(USD/JPY)は決まって円高になってきました。今回もこれが当てはまりました。しかし、過去のこのパターンにおいて、円高は永続していません。

概ね、政策金利引き上げ開始後半年から1年ほどが経過すると、円安トレンドに転換しています。

米国が政策金利を引き上げたのは2015年12月です。ということは、今回もこれが当てはまると仮定すると、今の円高トレンドは早ければ今年6月にも終了するかも?と予想できます。

また、日米景況感格差や政策金利差の拡大を考慮すると、米ドル/円(USD/JPY)をそろそろ買ってスワップ派を始めようという検討も可能だと思います。

ただし、注意点もあるでしょう。いくつか指摘できると思いますが、大きなトピックの一つは欧州情勢です。

・ギリシャ危機はまだ終わっていません。
・中東からの避難民への対応はどうなる?
・ユーロ圏の景気そのものもまだ弱い。

ギリシャ危機について、日本で報道される頻度は大きく減りました。しかし、まだ全く終わっていません。さらに、ギリシャには中東からの避難民が押し寄せていますが、ギリシャに対応能力はあるでしょうか。

2010年以降で、ギリシャのGDPは4分の1ほど減ってしまいました。にもかかわらず、国民への負担は増やさざるを得ません。今後も、ギリシャ周辺に対する情報収集は欠かせないでしょう。

以上の通り概観しますと、全力で米ドル/円(USD/JPY)を買って持つのはリスクが高いように思います。欧州や中国等のリスクが現実になってしまう場合に備え、米ドル/円(USD/JPY)を買う場合には数量を抑え気味にすることが大切でしょう。