公開日:2016年1月29日

南アフリカ準備銀行は昨年11月に政策金利を0.25%引き上げましたが、今回は0.5%引き上げて6.75%としました。そこで、南アフリカ準備銀行が公開したデータやステートメントから、いくつかをピックアップして考察しましょう。

データ引用元:南ア準備銀行ホームページ

 

消費者物価指数上昇率の推移および見通し

消費者物価指数上昇率(CPI上昇率)は、政策金利に大きな影響を与えると考えられます。そこで、CPIとコアCPIの推移および見通しを確認しましょう。

201601南ア-インフレ見通し

上のグラフは、CPI上昇率の実績及び見通しです。青線が、今回の政策金利発表と同時に公表された資料の見通しです。オレンジは、前回2015年11月時点の見通しです。CPI上昇率見通しが大きく上方修正されている様子が分かります。

次に、コアインフレーションについても同様に確認しましょう。

201601南ア-コアインフレ見通し

コアインフレ見通しについても、大きく上方修正されていることが分かります。南ア準備銀行は、CPIおよびコアインフレを抑え込むために政策金利を引き上げる必要性があったのだろうと予想できます。

 

実質GDPの推移および見通し

では次に、実質GDPの様子を確認しましょう。CPI上昇率の見通しは上方修正されましたが、この原因が活発な経済にあるのならば問題ありません。行き過ぎた好景気はその後の大きな不景気を引き起こしかねません。

この場合、政策金利を引き上げることにより、景気や物価上昇率を安定化させるという意味があります。では、南ア準備銀行が公表した実質GDPデータを確認しましょう。下の通りです。

201601南ア-実質GDP

前回の見通しに比べて、GDP成長率を下方修正していることが分かります。中国や欧州などの不調や国際商品市況の悪化がGDP成長率の低下をもたらしている可能性があります。

 

南ア準備銀行のステートメント

以上のことから、景気は良くないから政策金利を引き下げて経済を刺激したい、しかし、物価上昇率が上がる見通しだから物価を抑え込むために政策金利を引き下げたい・・・この矛盾する2つの目標をを同時に達成しなければならないだろうと分かります。

南ア準備銀行のかじ取りはとても難しいと予想できます。では、南ア準備銀行のステートメントから、最初の段落を要約します。

「前回の政策決定会合から、為替レート及び食品価格の推移を主因としてCPI見通しは著しく悪化した。ランドは国内外の状況を反映してかなり安くなり、干ばつの影響も明らかになりつつある。世界の状況は新興国市場にとって厳しい状況であり、先進国のリスクが高まっている。」

前向きな表現がありません。厳しい状況が見て取れます。

最後に、南ア準備銀行が現在の南アランドの水準をどのように見ているかをご紹介しましょう。

Although at current levels the rand may appear to be undervalued, divergences from equilibrium can persist for some time.

「現在のランドの水準は安すぎるように見えるが、今しばらくは均衡水準から乖離し続ける可能性がある」