公開日:2015年6月4日

欧州中央銀行(ECB)は、政策金利を0.05%に据え置きました。
政策金利発表後の、ドラキ総裁の記者会見での冒頭説明を確認しましょう。
(引用元:ECBホームページ

 

記者会見要旨(冒頭の説明部分)

・政策金利を据え置く。
・資産購入プログラムは順調である。
・1か月に600億ユーロを購入するこのプログラムを2016年9月まで継続する。
・このプログラムを、中期的にインフレ率が2%を超えない程度に上昇することが確認できるまで継続する。
・ECBの金融政策は幅広い範囲で貢献している。
・2014年第4四半期の実質GDP成長率は0.3%、2015年第1四半期は0.4%であった。
・今後、経済の回復は広範囲に広がっていくと予想している。
・下方向のリスクは依然として残っているが、経済見通しを取り巻くリスクは徐々にバランスがとれてきた。
・インフレーションは今年が底で、今後は上昇すると見込んでいる。
・広義流動性(M3)は上昇した。今年4月は5.3%の上昇、先月は4.6%の上昇。
・金融政策は物価の安定性に焦点を当てており、ユーロ圏が果実を得るには他の政策分野の貢献が必要だ。

 

簡潔な分析

ドラキ総裁の記者会見冒頭の発言を見ますと、厳しい中にも希望が少し見える、そのような印象を受けます。
・インフレ率はとても低いが、今年が底であり今後は上昇する見込みである。
・資産購入プログラムは順調に推移している。
・経済は広範囲で回復していく。

ユーロシステムのスタッフ予想によると、実質GDP成長率予想は以下の通りです。
2015年3月の予想からほぼ変化がありませんが、徐々に上昇している様子が分かります。
2015年 1.5%
2016年 1.9%
2017年 2.0%

また、同スタッフ予想によると、季節調整済インフレ率の予想は以下の通りです。
2015年3月予想と比べて、2015年のインフレ率が上方修正されています。
2015年 0.3%
2016年 1.5%
2017年 1.8%

実際のところは、ギリシャ問題がありますし、失業率は10%を超える状況であり、問題は山積です。
しかし、ECBの責務は物価の安定であり、失業率や構造改革ではありません。
この点はドラキ総裁も指摘しており、今後のユーロ圏の経済の回復は他の政治分野の行動にかかっているといえそうです。

なお、ユーロ圏の政策金利推移は以下の通りです。政策金利は限りなく0%に近い水準で張り付いていることが分かります。

eur-201506