例えば、豪ドル/円(AUD/JPY)のスワップ派の場合、必要な証拠金額は円で計算します。では、豪ドル/米ドル(AUD/USD)のスワップ派だったら、必要な証拠金はどの通貨で計算するでしょうか・・・米ドルです。

例:豪ドル/米ドル(AUD/USD)=0.7500で1万通貨買う場合に必要な証拠金
0.7500×10,000通貨×0.04=300(米ドル)

ということは、証拠金は円でなくて米ドルで準備したほうが良いということになります。円で証拠金を準備していると、大変なことになるかもしれません。過去の例で考察しましょう。

 

ユーロ/スイスフラン(EUR/CHF)の買い

2015年1月、スイスショックと呼ばれる大変動がありました。その時の為替レート推移は以下の通りです。下のチャートは日足です。

20150115eurchf

チャートの中ほど右に、とても大きな陰線があります。これが2015年1月15日です。それまで、スイス国立銀行(スイスの中央銀行)は、EUR/CHFを1.20よりも下にしないという政策を採用していました。このため、スイスショック以前の為替レートは1.20のすぐ上に張り付いていました。

こうなっていた原因は、ユーロ圏がとても弱かったのに対し、スイスの経済力が極めて強かったからです。放っておくとEUR/CHFは際限なくスイスフラン高になりそうだったので、スイス国立銀行は1.20という制限を設けたのでした。

しかし、この政策に耐えきれなくなったスイス国立銀行は、EUR/CHF=1.20の政策を突然撤回しました。市場はパニックに陥り、一気に1.0000あたりまで急落しました。わずか1日で、2,000pipsくらいの値動きがありました。

さて、この時にEUR/CHFを買って持っていたら含み損になったわけですが、証拠金を円で持っていた場合とスイスフランで持っていた場合で、どのような差があるでしょうか。

証拠金をスイスフランで持っていた場合

EUR/CHF=1.20で1万通貨買っていたとしましょう。そして、EUR/CHF=1.0000になったとします。この時もなお強制ロスカットにならずに堪えるために必要な証拠金は、2,480スイスフランです。

内訳:
ポジションを建てるために必要な証拠金: 1.20×10,000通貨×0.04=480
EUR/CHF=1.00になっても耐えるために必要な証拠金: (1.20-1.00)×10,000=2,000
合計: 480+2,000=2,480

証拠金を円で持っていた場合

証拠金を円で持っている場合、上の2,480スイスフランを円に換算した額を準備すればよいことになります。スイスショック前のスイスフラン/円(CHF/JPY)レートは115円くらいでした。よって、以下の金額を準備すれば良いことになります。

2,480スイスフラン×115=285,200円

しかし、この計算では強制ロスカットになってしまいます。というのは、スイスショック時に、CHF/JPY=160円くらいにジャンプしたためです。スイスショック時に本当に必要な証拠金は以下の通りでした。

2,480スイスフラン×160=396,800円

スイスショック前に2,480スイスフランを準備していれば、スイスショックでも耐えることができました。しかし、スイスショック前に2,480スイスフランに相当する円(28.5万円くらい)を準備しても、スイスショック時には40万円弱が必要になり、強制ロスカットされてしまいます。

この例から分かりますとおり、外貨同士の通貨ペアでトレードする場合は、証拠金を外貨で準備する方が安全度が高いといえるでしょう。円で証拠金を準備していると、意図しない円安が発生したときに証拠金不足になる可能性があります。

 

外貨同士の通貨ペアでスワップ派は可能か?

では、外貨同士の通貨ペアで、スワップ派は可能でしょうか。結論から書けば、可能です。

例1:スイスフランを売るスワップ派・・・豪ドル/スイスフラン(AUD/CHF)など
例2:米ドルを売るスワップ派・・・豪ドル/米ドル(AUD/USD)など

スイスフランは日本と並んで政策金利が低いので、イメージしやすいかもしれません。そこで、豪ドル/米ドル(AUD/USD)について確認しましょう。下のグラフは、オーストラリアと米国の政策金利比較です。

201510豪州、米国政策金利

2001年以降のものですが、常にオーストラリア(豪州)が米国を上回っていることが分かります。すなわち、豪ドル/米ドル(AUD/USD)のスワップポイントはおおむねプラスで推移してきたと分かります。

似たような傾向は、ニュージーランドドル/米ドル(NZD/USD)でも確認可能です。

これらのような、外貨同士の通貨ペアでスワップ派をする場合は、スイスフランまたは米ドルを証拠金として準備したほうが良いだろうということになります。

 

外貨を証拠金にできるFX口座は?

そこで、外貨を証拠金にできるFX口座を探すことになりますが、わずかしかありません。FXは外貨の取引ですが、証拠金となると円でのみ受け入れるというFX口座が圧倒的多数です。

外貨を証拠金として受け入れる会社を2つ紹介しましょう。

セントラル短資FX
→ セントラル短資FXがスワップポイント目的の投資に有効な5つの理由
→ セントラル短資FXの基本スペック

マネーパートナーズ【PFX口座】
→ ポジションを持つだけで、キャッシュバックを得られるFX口座
→ マネーパートナーズの基本スペック

当サイトでスワップ派に向くとして紹介しているこの2口座は、外貨を証拠金とすることも可能です。