公開日:2015年5月5日
最終更新日:2017年1月2日

スワップ派で投資する際に最も重要な情報と言えば、スワップポイントの値でしょう。これがマイナスだと、その通貨ペアを買うことができません(継続的にマイナスならば、売りでポジションを持つことができます)。

プラスでも、ゼロに近い値だと投資対象として選ぶのに躊躇してしまうかもしれません。というわけで、スワップポイントは少しでも大きいほうが望ましいです。

では、スワップポイントは何によって決まるのでしょうか。正確には各国の短期金利ですが、それは簡単に入手できませんし、入手できたとしても一般には使い勝手があまり良くないかもしれません。

そこで、それに代わるものを使いましょう。政策金利です。政策金利は、短期金融市場に対して極めて強い影響力を持っています。短期金利を元にスワップポイントが決まりますから、それに多大な影響を与える政策金利を概観すれば、スワップポイントのおおよその傾向を把握できそうだというわけです。

では、日本の政策金利から順に見ていきましょう。2001年1月~2016年12月までの政策金利です。

掲載国等: 日本米国ユーロ圏イギリスオーストラリアニュージーランドスイス
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日本

縦軸は政策金利の値ですが、目盛が最大で9%となっています。これは、他の6か国と比較しやすくするために統一しています。

日本の政策金利は0%近辺に張り付いたままです。政策金利は体温に例えられることがあります。政策金利がある程度高いときは経済活動が活発で、政策金利が低いときには経済活動が活発でないということです。

政策金利で判断する限り、日本経済はずっと活発でなかったということができるでしょう。

よく見ると、2006年~2007年に政策金利が少し上昇しています。これは、経済が回復していてデフレも終了か?と思われた時期です。結局、サブプライムローン問題とリーマンショックによって景気の拡大期は終了してしまい、政策金利も再びゼロ近辺に戻ってしまいました。

 

アメリカ合衆国

アメリカ合衆国の政策金利です。日本よりもダイナミックに上下動していることが分かります。

2001年からの政策金利低下は、ドットコムバブルの崩壊過程によるものです。その後復活し、2004年からゆっくりと政策金利を上昇させました。そして、サブプライムローン問題とリーマンショックです。比較的急激に政策金利が低下しました。

その後は政策金利が低位に張り付いたままです。しかし、日本の政策金利よりはわずかに上にあります。このため、米ドル/円(USD/JPY)のスワップポイントもわずかですがプラスだという状況が続いています。

なお、2015年末と2016年末に政策金利を引き上げました。この引き上げが継続するかどうかに注目です。

 

ユーロ圏

ユーロ圏の政策金利です。

ユーロ圏の政策金利の推移は米国と似ていますが、最も大きく異なるのはリーマンショック後の動きでしょう。米国は政策金利を一気に引き下げました。さらに、QEと呼ばれる量的金融緩和拡大策を実行しました。

それに比べれば、ユーロ圏の政策金利の低下スピードはゆっくりでした。2009年になっても政策金利は1%を維持していました。

しかし、米国が景気回復に向けて着実に歩を進めているのとは対照的に、ユーロ圏はなかなか経済が回復しませんでした。このため、2011年から段階的に政策金利を低下させ、2015年に至って量的金融緩和拡大策を実行しました。

2017年以降にユーロ経済は復活するでしょうか。注目しましょう。

 

イギリス

イギリスは高金利の国として、かつてスワップ派の人気を集めていました。

上の米国やユーロ圏の政策金利と比較していただくと分かりますが、リーマンショック前のイギリスの政策金利は恒常的に高い数字を記録していました。2001年~2002年にかけての金利低下後も高い政策金利を維持していました。

しかし、2008年のリーマンショック後の金利急降下が顕著です。

リーマンショックを引き起こした米国の政策金利低下スピードをしのぐ速さです。5%だった政策金利は、急降下して0.5%になってしまいました。その後は低位に張り付いたまま2016年まで継続しています。

 

オーストラリア

オーストラリアです。オーストラリアの政策金利動向は、上で見てきた各国とかなり趣が異なります。まず、リーマンショック前の政策金利です。最高で7%を超えています。上の各国ではそこまで高金利になりませんでした。

そして、リーマンショック後です。他国では軒並みゼロ%に近くなるような水準まで急降下しましたが、オーストラリアは3.0%で踏みとどまりました。その後、2010年にかけて政策金利が上昇しています。

ただし、その後は政策金利が徐々に低下傾向にあり、2016年12月段階では1.5%に位置しています。低下したといっても1.5%ですから、オーストラリアドルは高金利通貨ということになります。

 

ニュージーランド

ニュージーランドです。

ニュージーランドはオーストラリアと似たような動きですが、よく見ると異なっています。リーマンショック前の政策金利が8%を上回っています。8%というのは大変な高金利です。

そして、リーマンショック後は2.5%まで低下しました。しかし、そこからさらに下落することはなく、2014年に入って政策金利を引き上げました。主要国の中でいち早く政策金利を引き上げたということになりますが、その後、再び低下しています。

 

スイス

スイスも日本と並んで低金利の国として有名です。スイスの政策金利で顕著な特徴は、2014年末から政策金利をマイナスにしていることです。上のグラフでは△0.75%くらいに見えますが、実際にはマイナス金利に幅を持たせています。

基準金利(3か月物LIBOR)が△1.25%~△0.25%に収まるようにしています。グラフでは、この範囲の中間値をとって△0.75%でグラフを作成しています。