公開日:2015年5月6日
最終更新日:2017年1月2日

スワップポイントの大きさは、短期金利に大きく左右されます。

スワップ派で活躍しようとする場合、円を売って外貨を買うというパターンが多くなると思います。このとき、どれくらいのスワップポイントを得ることができるかを近似的に調べる方法として、下の計算式があります。

(近似的なスワップポイント) = (外国の政策金利) - (日本の政策金利)

これが活躍するのは、過去のスワップポイントを推計するときです。

今日のスワップポイントについては、各FX業者のホームページで確認できます。しかし、過去20年間のスワップポイントを確認したい場合はどうしましょうか。あるいは、最近取引が可能になったような通貨ペアの場合は、1年前のスワップポイントでさえ確認するのが困難でしょう。

このような場合に、政策金利を使って近似的にスワップポイントを推計することができます。

また、政策金利をグラフにして書くことで、過去から現在に至るまでのスワップポイントの増減の理由がぼんやりと見えてきます。例えば、スワップポイントが小さくなったとします。その理由は、大きく分けると以下の3つのうちのどれかでしょう。

1.外国の短期金利が下落した。
2.日本の短期金利が上昇した。
3.上記2つが同時に実現した。

スワップポイントだけを見ていても、上記3つのうちのどれなのかは不明です。しかし、政策金利をグラフ化すると良く分かります。政策金利は短期金利に極めて大きな影響を与えるからです。

では、米ドル/円(USD/JPY)から順番に、スワップポイントの推移を、政策金利を使って考えていきましょう。

掲載通貨ペア: 米ドル/円ユーロ/円ポンド/円豪ドル/円ニュージーランドドル/円
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米ドル/円(USD/JPY)

赤線が米国の政策金利、青線は日本の政策金利です。「赤線-青線」の値が、おおよそのスワップポイントの値です。

2008年のリーマンショックまでは、米ドル/円(USD/JPY)を買うのはスワップ派として十分選択可能でした。実際にスワップ派でUSD/JPYを買っていた人も多かっただろうと考えられます。

しかし、リーマンショック後は、米国も日本も政策金利がゼロ近辺に張り付いています。ところがよく見ると、米国の政策金利のほうが、日本よりもわずかに高いことが分かります。よって、USD/JPYを買うと少しですがプラスのスワップポイントとなります。

ただし、実際には、USD/JPYのスワップポイントがマイナスになったことも多々ありました。これは、スワップポイントが政策金利を使って算出されるのではないからです。政策金利を使って得られるスワップポイントの値は、推計値だということです。

そして、この状態は2015年末に終了しました。米国が政策金利を引き上げたのです。今後もこの傾向が継続するのか、注目しましょう。

 

ユーロ/円(EUR/JPY)

上の「米国・日本」のグラフと大きく異なるのは、リーマンショック後の推移です。米国と日本の政策金利差は一気に縮まり、ほとんど差がなくなってしまいました。一方、ユーロ圏と日本の政策金利差はじわじわと狭くなっています。

日本はゼロあたりに張り付いていますから、差が縮まっている原因はユーロ圏の政策金利低下です。

そして、グラフの一番右側あたりでは、ユーロ圏の方が政策金利が低くなっている様子が分かります。ユーロ/円(EUR/JPY)を買ってスワップ派をしている場合は、とても厳しい状態だと予想できます。

今後もこの状態が継続すると予想するならば、決済して別の通貨ペアに乗り換えることも選択肢となるでしょう。

 

ポンド/円(GBP/JPY)

2008年のリーマンショック前の政策金利差が大きいです。当時、ポンド/円(GBP/JPY)を1万通貨買って持っていた場合、1日当たりのスワップポイントが200円を超えることもありました。

しかし、リーマンショックで事態は一変。イギリスの政策金利はジェットコースター並に急降下しました。その後、イギリスと日本の政策金利差は狭いままです。

ただし、日米の差に比べれば、日英のほうが大きな差を維持してきました。

このため、GBP/JPYを買って持っていると、USD/JPYよりも大きなスワップポイントを得ることができたでしょう。2017年は米国の政策金利上昇が見込まれていますので、ポンド/円(GBP/JPY)は米ドル/円(USD/JPY)よりも不利になるかもしれません。

 

豪ドル/円(AUD/JPY)

豪州と日本の政策金利差の推移は、上の3つとは明らかに異なります。リーマンショック後もその差は大きなままです。

よって、リーマンショック後の円高で強制ロスカットなどに遭わずにポジションを維持することができたならば、他通貨ペアに比べて高いスワップポイントを得ることができました。

豪州の政策金利は徐々に低下傾向にありますが、スワップポイントが大きい傾向は2016年12月現在も変わっていません。

 

ニュージーランドドル/円(NZD/JPY)

ニュージーランドと日本の政策金利差も、オーストラリアと日本の関係に似た感じです。しかし、異なる点もいくつかあります。例えば、リーマンショック前の政策金利差です。最大で8%近くありました。

2014年にはニュージーランドの政策金利が一時的に上昇しました。再び低下して現在(2017年1月)に至りますが、他の通貨ペアに比べると大きなスワップポイントを得られることが分かります。