強制ロスカットは嫌なものですが、それ自体はデメリットでなく、メリットです。

というのは、強制ロスカットの制度がない場合を考えてみると分かります。Aさんに登場していただきましょう。Aさんはスワップ派で取引をしています。

 


「いい感じでスワップポイントで稼げている。俺はスゴイな!」
「・・・と思っていたけれど、最近の為替レートの動きが怪しい。円高がキツイ。」
「うーん。マズイ。このままではマズイぞ。」
「しかし、今までスワップポイントで稼げたんだ。そのうち相場は反転するかもしれない。我慢だ。」
「ああ・・・証拠金が底をつきそうだ。いや、ここで損失を確定したら大損失だ。我慢だ。」
「とうとう、証拠金が底をついて破産してしまった。しかも、証拠金以上に負けたから借金だ・・・。」


 

大損失を確定する取引はしたくありません。しかし、損失を確定しないと、預入証拠金以上に損失を計上してしまう可能性があります。

すなわち、証拠金を全て失う上に、借金までしてしまうのです。借金をして、何かを食べたわけでもありません。遊んだわけでもありません。ただ、取引画面の向こうで円高になって、借金を抱え込んでしまうのです。

このような状態になることを回避するために、強制ロスカットの制度があります。強制ロスカットには2つのパターンがありますので、一つずつ確認しましょう。

 

強制ロスカットの2基準

1.有効証拠金が必要証拠金の一定割合を下回るとき

有効証拠金とは、概ね以下の金額を合計したものです。
(1)当初の預入証拠金
(2)今までのトレードの損益
(3)現在取引しているトレードの評価損益
(4)スワップポイント
要するに、口座の評価額です。

必要証拠金とは、トレードを開始するために最低限必要な証拠金を指します。取引額の4%です。

上の(1)~(4)の合計額が、必要証拠金よりも一定割合以上小さくなる時に、随時強制ロスカットされます。このタイプの強制ロスカットが実行されるタイミングについては、FX業者ごとに異なります。

有効証拠金額が必要証拠金の額を下回ったらすぐに強制ロスカットする業者もあれば、必要証拠金の額の20%を下回ったら強制ロスカットという業者もあります。

有効証拠金が必要証拠金を下回ったらすぐに強制ロスカットというのは、厳しい条件のように見えますが、そんなことはありません。強制ロスカットしてもなお、口座に資金が残る確率が高くなるからです。

一方、必要証拠金の額の20%を下回ったら強制ロスカットという場合、相場が急落したり大きな窓ができたりするときには借金を抱えてしまうかもしれません。

2.証拠金判定時に、有効証拠金が必要証拠金の額を下回っているとき

強制ロスカットの基準には、もう一つあります。

有効証拠金額が必要証拠金額を下回るとき、上の1の基準ではセーフでも、いつもまでもそのままにしておくことはできません。というのは、1日1回、証拠金判定が行われるためです。

この判定で、有効証拠金が必要証拠金よりも少ない場合、強制ロスカットされます。この場合の強制ロスカットには、およそ1日程度の猶予を設けている業者もあります。

その猶予のうちに、証拠金を追加投入したり、ポジションを減らして必要証拠金を減らしたりします。

 


この強制ロスカットの制度は、法律で大枠が決められています。その範囲内で、各FX業者が自由に設定します。このため、いつどのようになったら強制ロスカットが発動されるのかについては、各FX業者のホームページでご確認ください。

 

スワップ派の基礎