米国の経済情勢を読み解くのに重要な指標の一つに、失業率の数字があります。この数字が上昇すれば失業者が多くなるということですから、改善すべきということになります。

逆にこの数字が低ければ、失業者が少ないということです。経済運営はうまくいっているといえるでしょう。そこで、米国失業率の読み方を概観します。

 

米国の失業率推移

米国の失業率の推移を確認しましょう。下のグラフは、2006年~2015年の失業率推移のグラフです。

米国失業率

米国の完全雇用状態は5%程度だろうと言われています。

失業率が5%なのに「完全雇用」とはどういうこと?ですが、自分の意志で失業している人が5%くらいいるということです。たとえば、より良い待遇を求めて会社を辞めた、などがあります。彼らを除けば、完全雇用が達成されています。

その視点で、上のグラフを確認しましょう。2006年~2007年は完全雇用状態だったのですが、リーマンショックで一気に10%になります。そして、その後は緩やかな低下傾向にあります。2015年現在は5%台にまで低下しています。

職を探すのをあきらめてしまった人は失業率の計算に含みませんので、実際の失業率はもっと高い可能性があります。しかし、2015年現在で、米国経済が改善していることは明らかでしょう。

 

失業率と雇用統計の数字はどちらが正しい?

例えば、ある月の米雇用統計で新規雇用者数が増加したとします。一方で、同じ月に発表された失業率が上昇したとします。

この場合、米国の経済情勢は改善しているのでしょうか。していないのでしょうか。また、どちらかの指標に欠陥があるのでしょうか。あるいは、両方に欠陥があるのでしょうか。

長期的には二つの指標が進む方向は同じだとしても、注目度が高い指標だけに、単月でも方向が違ってしまうと「いったいなぜだ?」と考えてしまうかもしれません。

そこで、この二つの指標の推移をグラフで確認しましょう。

青線は、雇用者数の前月比増減の6か月移動平均です。このデータは月ごとの振れ幅が大きいので、6か月移動平均にして読み易くしました。メモリは左で、単位は千人です。失業率は右目盛り(%)です。

雇用者数・失業率2

2011年からのデータではありますが、長期的には雇用者数は増加傾向、失業率は低下傾向です。二つのデータは整合的です。

しかし、短期的に見ると、2012年前半は雇用者数増加率が大きく減っていたのに失業率は横ばいまたは低下傾向を示しました。2013年前半も同様の傾向がみられました。これをどう説明するのか?です。

筆者の意見としては、「経済指標の算出の方法が異なるのだから、短期的には違いが出ても仕方がない」です。例えば、動物の象を表現するとします。

Aさん: 長い鼻を持っている
Bさん: 体がとても大きい
Cさん: 動きがのんびりしている

全員言っていることは異なりますが、全員正しいでしょう。それと同じようなものだと考えます。よって、経済指標を考えるときは、単月の数字も重要でしょうが、長期的な視点から眺める習慣をつけたいです。

 

失業率データ取得方法

米国の失業率データ取得方法は、以下の通りです。

1 米国労働省のホームページにアクセスします。
米労働省が失業率の集計や発表をしています。
→ 米国労働省ホームページ(失業率のページ)

2 失業率のデータを選択します。
下のキャプチャの、赤丸部分「Unemployment Rate – LNS14000000」にチェックを入れます。そのほかにも、年齢別の失業率や失業者数などのデータを取得することができます。

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3 ”retrieve data”をクリック
下のほうにスクロールしていきますと、”retrieve data”という文字がありますので、それをクリックします。retrieve dataとは、「データを取得する」という意味です。

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4 データを取得できました。
下の表のようにデータを取得できます。なお、1~4部分について、下に注釈を書きます。

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1 エクセルでデータを取得できます。
2 取得したいデータの期間を選択できます。
3 数字だけでなく、グラフを見ることができます。
4 年平均の欄を追加できます。
1~4で数字等を変更しましたら、右上にある「GO」をクリックしてください。新たにデータを取得できます。