手元に10万円あるとします。これを使って、FXをしようと思います。さて、いったいどれくらいの成果を期待できるでしょうか。

最初に、10万円を使った裁量トレードを検討します。その次に、スワップポイント狙いを検証します。

10万円の裁量トレードは難しい

裁量トレードとは、相場の上下動を捉えて積極的に利食いを狙う方法です。上昇すると思えば買い、下落すると思えば売ります。しかし、この方法は一部のトレーダーを除き、成功するのは極めて難しいです。

理由はいくつもあるでしょうが、分かりやすいところを検討しましょう。

利益率は高くても…

10万円で取引を始めて、1年間で100%の収益を得られる手法があるとしましょう。100%ということは、資金が1年で2倍になります。とても素晴らしい成績です。

しかし、この場合でも、失敗に終わる可能性が小さくないでしょう。

というのは、相場の上下動を考えて取引しますので、日常的に相場と向き合うことになるからです。年率100%といっても、一年中好調ということはなく、調子が悪いときもあるでしょう。そして、耐えて頑張った末に得られるのは10万円(100%)です。

仕事が大変なときも、眠い時も、イライラするときも耐えて、1年で10万円。

アルバイトしたほうが、圧倒的に簡単に大きく稼げます。少々キツい労働で1日1万円のアルバイトを10日やれば、それで10万円です。トレードで年率100%だとしても、1年間耐えて10万円です。

レバレッジを引き上げて大損

すると、取引を開始してから1か月もしないうちに、「これでは耐えられない!」と気づくはずです。よって、手っ取り早く資金を増やしたくなります。すなわち、レバレッジを引き上げます。

レバレッジを引き上げれば、確かに、利食いするときの金額は大きくなるでしょう。しかし、損になるときも同様です。こうして、どこかで大損して終了という将来が見えてきます。

資金量は大きい方が良い

毎年10万円でなく「毎月10万円」を得たいと思う場合を考えてみましょう。上で考察した利益の10倍です。

この場合、手元に1,000万円あれば、達成は比較的容易になります。なぜなら、毎月10万円ということは、1年で120万円です。元金は1,000万円ですから、年率12%でOKだからです。

年率100%とは難易度が違います。

目標利益額が大きくても、それを大幅に上回る資金があれば、達成が可能となります。こう考えると、10万円を使って大きく稼ぐのは、かなり大変だと分かります。

10万円でスワップポイント狙い

そこで、一気に資金増を狙わない方法を考察してみます。すなわち、スワップポイント狙いです。

スワップポイント狙いということは、長期でポジションを保有します。よって、先進国の高金利通貨を選んだとします。新興国通貨ペアは高金利なのが魅力ですが、国家の安定性に不安があります。

そこで、今回はニュージーランドドル/円(NZD/JPY)とします。また、安全性を重視して、レバレッジは2倍にします。

次に、今後10年のスワップポイントや為替レートを設定しましょう。1年で100%という大幅な数字を狙うのではなく、「気づいたら資産が増えていた」を狙います。

トレード試算

将来のことを完璧に予想することは不可能ですから、以下の通りとします。

過去10年のNZD/JPYの為替レートの平均値と、スワップポイントの平均値を採用します(数字は「くりっく365」の数字をを引用)。

NZD/JPY平均値=73.93円
スワップポイント平均値:86.24円(1万通貨、1日あたり)
〔過去10年: 2005年12月初日~2015年11月末〕

この数字が10年間続くと想定します。

そして、複利運用です。少しでもスワップポイントがたまったら、そのスワップポイントを使ってレバレッジ2倍で新規にNZドル円を買うのです。

ここでは、1通貨でも取引できるSBI FXトレードを採用します。実際には、毎日小さな数量を買うのは大変です。そこで、1か月経過したら、1か月分のスワップポイントを使って新規に買うという方法にしましょう。

複利運用の結果

複利運用の結果は以下の通りです。

毎月のスワップポイント

下のグラフをご覧ください。これは、1か月間に得られるスワップポイントの大きさを示したものです。横軸に1~10まで数字がありますが、これは、1年目、2年目・・・10年目という意味です。

100000-fx-2

1年目の1か月間のスワップポイントは600円台です。しかし、1通貨の複利運用でじわじわとスワップポイントが大きくなっていることが分かります。10年目の終わりには、1か月あたり900円台のスワップポイントとなりました。

スワップポイントの累積額

では、毎月獲得したスワップポイントを蓄積したグラフをご覧ください。

100000-fx-1

10万円でスワップ派のトレードを開始し、10年目の終わりには9万円ほどのスワップポイント益を得ています。元本比で90%くらいです。すなわち、11年くらいで資金が2倍になる計算です。

およそ11年で資金が2倍・・・これを良好な数字とみるか、それとも不満足と見るか。年率換算(単利)で9%くらいの成績ということになりますので、良好とみて良いかと思いますが、いかがでしょうか。

実際の為替レートを使った検証

なお、この試算では為替レートとスワップポイントを一定とみなしているのが欠点ですが、それは将来のことが分からないためやむを得ません。

過去の実際の数字を使った検証につきましては、別記事「ニュージーランドドル/円(NZD/JPY)のスワップポイントと為替レート(過去10年程度の分析)」をご覧ください。

また、この検証では、複利運用のメリットを最大限に採用しています。すなわち、1通貨からトレードできるSBI FXトレードを採用しています。

たとえば、最低取引数量が1,000通貨の場合、新規に買うには1,000通貨を買えるだけのスワップポイントをためる必要があります。

とても時間がかかります。

しかし、1通貨で買える場合、1通貨を買うだけのスワップポイントを貯めればOKです。どちらの複利効果が優秀か、比較するまでもないでしょう。

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裁量トレードとスワップポイント狙いの併用

以上の通り検証しますと、スワップポイント狙いは資産を増やせる可能性があると分かります。しかし、時間がかかるのが欠点です。そこで、この記事の冒頭でご案内しました裁量トレードとの併用が検討できます。

裁量トレードをすると、調子が良いときもあれば悪い時もあります。問題は、調子が悪いときです。一気に挽回しようとしたり、一発勝負をしたくなるかもしれません。

しかし、それは失敗の元です。

そこで、スワップポイント狙いも同時に実行します。スワップポイントは毎日プラスですから、心のイライラを抑える効果を期待できます。得られる金額そのものは小さくても、平常心を保ち、裁量トレードの成績向上に貢献してくれると期待できます。

 

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