公開日:2015年10月4日
最終更新日:2018年1月9日

スワップ派のトレードといえば、円を含む通貨ペアが一般的でしょう。例えば、豪ドル/円(AUD/JPY)です。スイスの政策金利の低さに注目する場合は、スイスフランを含む通貨ペアでスワップ派をしているかもしれません。例えば、ニュージーランドドル/スイスフラン(NZD/CHF)です。

今回は、円やスイスフランを含まない通貨ペアである豪ドル/米ドル(AUD/USD)のスワップ派の成否について考察します。

果たして、過去においてAUD/USDのスワップ派を採用した場合、成功したでしょうか。

豪ドル/米ドル(AUD/USD)のスワップポイント推移

くりっく365では、取引可能な通貨ペアの過去データを公開しています。その中には、スワップポイントの推移も含まれています。そこで、くりっく365のデータを使って、AUD/USDのスワップポイントの推移を概観しましょう。

下のグラフをご覧ください。豪ドル/米ドル(AUD/USD)を1万通貨買って継続的に保有した場合の、1か月間のスワップポイントの大きさを示したグラフです。くりっく365でAUD/USDが取引できるようになったのは2008年10月下旬ですから、スワップポイントのデータもそれ以降となっています。

豪ドル/米ドルのスワップポイント

縦軸の単位は米ドルです。リーマンショック後、円を含む通貨ペアのスワップポイントは大幅に小さくなりました。
→ 長期のスワップポイントと長期チャート(5通貨ペアの比較)

しかし、豪ドル/米ドル(AUD/USD)は様相が異なっています。2009年から2011年にかけてスワップポイント益が大きくなっています。そしてその後、なだらかに減少している様子が分かります。この推移は、AUD/JPY(豪ドル/円)と似ています。

ただし、2017年末にスワップポイントがマイナスに転じたのが気になります。米国の政策金利は徐々に上昇すると見込まれている一方、豪州はそうではありません。このため、スワップポイントは継続的にマイナスに転落する可能性があるでしょう。

そこで、政策金利の推移のグラフを確認しましょう。政策金利は2001年からのグラフです。

豪州と米国の政策金利

米国は2007年に金利引き下げトレンドに入っていますが、オーストラリアは2008年になっても金利引上げトレンドを継続していました。2008年に入ってから引き上げ速度が速くなったようにさえ見えます。

そして、米国は2009年早々に金利がほぼゼロに到達し、少し遅れてオーストラリアも当時の最低値である3.0%に引き下げられました。

米国はその後ずっと低い政策金利が続きました。しかし、2015年12月に政策金利が引き上げられ、引き上げトレンドが継続しています。FOMC(米国の政策金利を決定する機関)の予想によると、2018年も引上げが継続する見込みです。

このままいくと、豪州と米国の政策金利は逆転します。逆転すると、豪ドル/米ドル(AUD/USD)を買うときのスワップポイントは、マイナスになる可能性が高くなります。今後の推移に注目しましょう。

豪ドル/米ドル(AUD/USD)のチャート

次に、2008年10月以降の豪ドル/米ドル(AUD/USD)の推移を、チャートで確認しましょう。

豪ドル/米ドルの長期チャート

2013年に入ってから米ドル高に推移していることが分かります。そして、2015年を底にして反転上昇しています。すなわち、スワップ派としては都合の良い動きになっています。安値のときに買い、将来高値になれば、スワップポイント益に加えて為替差益も得られるということになります。

では、AUD/USDを今買っても良いのでしょうか。

為替差益を狙うならば、豪ドル/米ドルを買うという選択肢はあるでしょう。しかし、中期的に見て、スワップポイントがマイナスで継続しそうなのが気になります。

よって、買って年単位で継続的に保有するというよりは、月単位で為替レートの上昇を狙って取引するという例が現実的のように見えます。

あるいは、米国の政策金利が今後も継続的に上昇するならば、米ドル高の展開も想定できます。この場合は、豪ドル/米ドルを売って勝負することになります。