スワップ派(スワップポイント狙いのトレード)といえば、円を含む通貨ペアが一般的でしょう。例えば、豪ドル/円です。

また、スイスの政策金利の低さに注目する場合は、スイスフランを含む通貨ペアでスワップ派をしているかもしれません。例えば、豪ドル/スイスフラン(AUD/CHF)です。

今回は、豪ドル/米ドル(AUD/USD)のスワップ派の成否について考察します。果たして、過去においてAUD/USDのスワップ派を採用した場合、成功したでしょうか。

政策金利推移から、スワップポイントを考察

豪ドル/米ドル(AUD/USD)の長期スワップポイントを得るのは、とても大変なことです。また、FX業者によっても数字が異なります。そこで、豪州と米国の政策金利を元にして、スワップポイントを考察します。

スワップポイントは、2国間の短期金利差を使って求められます。政策金利は、短期金利に多大な影響を与えます。そこで、政策金利を使えば、スワップポイントの傾向が分かります。

下のグラフは、1995年以降の、豪州と米国の政策金利の推移です。

豪州と米国の政策金利

20年以上を概観しますと、両国とも、高い金利水準だと分かります。傾向がいくつか見られます。

・概ね、豪州の政策金利の方が高い
・徐々に政策金利が低下している
・直近は、米国の方が高い

1998年から2001年あたりにかけて、わずかですが、米国の方が政策金利が高かったと分かります。また、2018年も、米国の方が高くなっています。

こうしてみますと、米国の政策金利の方が高いというのは、レアケースだと言えそうです。

豪ドル/米ドル(AUD/USD)のスワップポイント

では、上の金利差を使って、スワップポイントを計算してみましょう。豪州の政策金利から、米国の政策金利を引いてあげればOKです。そのグラフは、下の通りです。

豪ドル/米ドルのスワップポイント

基本的には、豪州の政策金利の方が大きい数字です。このため、大半の期間で、グラフは0%よりも大きい数字で推移しています。すなわち、豪ドル/米ドル(AUD/USD)を買うと、スワップポイントはプラスが多かったということになります。

豪ドル/米ドル(AUD/USD)の長期チャート

では、豪ドル/米ドル(AUD/USD)を買ってずっと保有していたら、プラスの成績になったでしょうか。1995年以降の長期チャートで確認してみましょう。

豪ドル/米ドル(AUD/USD)のチャート

長期チャートを見ますと、全体的には右肩上がりのように見えます。しかし、長期的に下落している期間もあります。

例えば、1995年から2002年、そして2012年以降です。

よって、豪ドル/米ドル(AUD/USD)を買って保有すれば儲かる、とは言えないようです。よく言われることですが、安値で買って高値で売るという姿勢が必要だと分かります。安値で買って高値になるまでに、スワップポイントも大きくいただく、という戦略になるでしょう。

豪ドル/米ドルのチャートとスワップポイントの関係

では、この長期チャートとスワップポイントのグラフを見比べて、何か特徴が分かるでしょうか。2枚のグラフを並べて比べても、良く分かりません。そこで、1つのグラフにまとめてみましょう。下の通りです。

チャートとスワップポイント

為替レートと政策金利差(スワップポイント)の間には、一定の関係がぼんやりとあるように見えます。下のチャートを使いながら考察します。下のチャートは、上のチャートに数字を振ったものです。

政策金利の向きが変わった場面で、数字を置きました。

チャートとスワップポイント

数字1、2、3、7:
スワップポイントが先に方向転換し、その後、為替レートも転換した。

数字4、6:
為替レートの向きが先に変化し、続いてスワップポイントも変化した。

数字5:
ほぼ同時に、為替レートとスワップポイントが下向きになった。

こうしてみますと、政策金利差(スワップポイント)の方向が先に転換し、その後、為替レートがついてくるという傾向が見えます。

為替レートが先に方向転換する例も、複数あります。しかし、いずれも、上のグラフを良く見ないと、為替レートが先だと分からないレベルです(なお、差はわずかとはいえ、上のグラフは20年以上の長期チャートです。数か月以上の差があります)。

豪ドル/米ドル(AUD/USD)の長期トレード手法(案)

以上の考察から、豪ドル/米ドル(AUD/USD)の長期トレード案が出てきます。

トレード案:
政策金利差(スワップポイント)の傾向が転換したら、為替レートの動きも逆転しやすい。そこを狙ってポジションを持つ。

ただし、年単位の長期保有の場合、スワップポイントがマイナスになる側でポジションをずっと保有するのは、精神的に厳しいものがあります。

と言いますのは、為替レートの動きは確実でない一方、スワップポイントは毎日必ず受け渡しするからです。

「これから為替レートは下落するはずだから、スワップポイントはマイナスでもOK」というのはアリです。しかし、為替レートは、一直線に下落するわけではありません。

上のチャートでいえば、2016年から2018年にかけて、政策金利差は下落傾向ですが、為替レートは上昇しています。その2年間、含み損とマイナスのスワップポイントの両方に耐えるのは、おそらく無理です。

そこで、スワップポイントの傾向は、為替レートの大きな動きを把握するために使用します。そして、実際に売るのはチャートを見てから、という判断になるでしょう。

この点でいえば、豪ドル/米ドル(AUD/USD)を買う側は、売る場合よりも気楽かもしれません。スワップポイントがプラスの期間が長かったからです。

2018年の豪ドル/米ドル(AUD/USD)

以上の判断で考えますと、2018年の豪ドル/米ドル(AUD/USD)は、売りが望ましいということになります。しかも、米国の政策金利の方が高いので、豪ドル/米ドル(AUD/USD)を売ると、スワップポイントはプラスになります。

・豪ドル/米ドル(AUD/USD)は下落傾向
・売ると、スワップポイントはプラス

よって、売りで勝負しやすい状態だと言えます。以上の分析は、過去のデータを元にしたものです。今後も当てはまると断定できませんが、傾向の把握としては使えそうでです。

 

長期の為替レートとスワップポイント