FXの買い時はいつでしょうか。これは、とても難しい問題です。

そこで、ポジションを長期保有してスワップポイントを狙う方法について、買い時を考察しましょう。また、感覚的には、円高の時に買うと良いと感じます。将来円安になれば、含み益が見込めるためです。そこで、さらに効果的な買い時を考えます。

スワップポイント狙いの場合

まず最初に、下のグラフをご覧ください。豪ドル/円(AUD/JPY)のスワップポイントについてのグラフです(データ引用元:くりっく365)。これは、ある月に豪ドル/円を買い、2015年4月末日までずっと持ち続けた場合のスワップポイントの大きさを示したものです。

audjpy-cumulative-swap-2006-2015

例えば、2006年1月(グラフの一番左)に1万通貨を買って、2015年4月末日まで持ち続けたとき、スワップポイント獲得額の合計は34万円弱です。一方、2015年1月に豪ドル/円を1万通貨買った場合のスワップポイント累積額はわずかです。

グラフを見ると、右肩下がりになっています。これは当然で、毎日のスワップポイントの大きさはプラスなのですから、1日でも早くスワップ派の取引を始めたほうが利益が大きくなるためです。

評価損益を考察

次に、下のグラフをご覧ください。豪ドル/円(AUD/JPY)を毎月買ったとして、そのポジションを2015年4月末日終値で評価損益を出したものです。

audjpy-swap-profit-loss-2006-2015

先ほどとは違って、変な形のグラフになりました。これを理解するには、この期間の為替レートのチャートも一緒にみると分かりやすいです。よって、為替レートを下に掲載します。

audjpy-monthly-chart-200601-201504

2009年前後に超円高になっています。この時に豪ドル/円を買っていれば、2015年4月末のレートで評価損益を出すと、大きなプラスになります。逆に、2007年~2008年の高値で豪ドル/円を買った場合は、評価損を計上しています。

この評価損益の状況を示したのが、2つ上のグラフです。円高の時にスワップ派を始めた場合、大きな含み益を得られました。しかし、円安の時に始めると、含み損を計上してしまいます。

スワップ益と評価損益の合計

さて、スワップポイントと含み損益について確認しました。この二つを合計した数字が、正確な損益ということになります。下のグラフで確認しましょう。

audjpy-sum-swap-profit-loss-2006-2015

2007年~2008年の円安の時にスワップ派を始めた場合、評価損益が大幅マイナスでした。しかし、それを上回るスワップポイントを獲得しているため、合計でプラスの成績を収めています。

一方、2013年や2014年の一部で、合計でマイナスになっていることが分かります。これは、スワップポイントの蓄積が不十分なため、評価損益が損益合計に大きな影響を与えているからだと考えられます。

以上のことから、下のことが言えるでしょう。

1.スワップ派の開始時期【FXの買い時】は、1日でも早いほうが良い。
2.スワップ派の開始時期【FXの買い時】は、円高のときのほうが良い。
3.上の二つに優先順位をつけるなら、1.の方が重要である。

期間を変えて、FXの買い時を考察

もう一つ確認しましょう。2006年1月~2009年1月まで上と同じように取引して、2009年1月末のレートで損益を評価します。スワップポイント累積額は以下の通りです。

audjpy-cumulative-swap-2006-2009

2009年1月末日のレートで計算した評価損益は以下の通りです。

audjpy-swap-profit-loss-2006-2009

スワップポイント累積額と評価損益の合計は以下の通りです。

audjpy-sum-swap-profit-loss-2006-2009

どの月にスワップ派を始めたとしても、ひどい損失を計上していることが分かります。

すなわち、評価損があまりに大きいと、スワップポイントの利益は簡単に吹き飛んでしまうことが良く分かります。しかし同時に、十分に長い期間スワップ派を継続してスワップポイント益を積み上げれば、評価損が大きくても十分にカバーすることが可能です。

次に、日銀の市場介入を狙った買い時を考えましょう。

市場介入を狙う買い時

市場介入とは、政府・日銀が外国為替市場で外貨を買ったり売ったりすることです。政府・日銀も国際社会で活動する主体の一つですから、必要に応じて外貨を買ったり売ったりすることは珍しくないでしょう。

ただ、目的は、為替差益を得ることではありません。政府・日銀の場合は、外国為替レートを適切な水準に維持するために影響力を行使しています。

よって、過度に円高が進むと、政府・日銀の市場介入があるのでは(米ドル/円を買うのでは)?と市場関係者が注目し始めます。

政府・日銀は巨大な資金を投入できますから、ひとたび為替レート維持のために行動すると、その影響力は大きいです。そこで、外国為替市場で活動する人々は政府・日銀の行動に注目することになります。

なお、「政府・日銀」という表現を使っていますが、これは以下の意味があります。

市場介入するかどうか決める・・・財務大臣(財務省)
市場介入の実行部隊・・・日本銀行

市場介入するかどうかを決めるのは財務省であり、日銀ではありません。日銀は実行部隊に過ぎません。財務省から情報提供を求められれば、日銀は財務省に情報を提供します。よって、市場介入に対して一定の影響力を行使できるのでしょうが、決定権はありません。

以上の理由から、「政府・日銀」という表現を使います。

市場介入と米ドル/円(USD/JPY)の関係

それでは、市場介入とUSD/JPYの関係を確認しましょう。上が市場介入(「外国為替平衡操作」といいます。)の実績、下が米ドル/円の推移です。市場介入額の単位は億円です。
(データ引用元:財務省ホームページ

BOJ

市場介入があった辺りで、下方向に矢印を引いています。このグラフとチャートから分かることを書き出します。

1. 1995年~1996年の介入
市場介入後さらに円高になり、引き続き介入を継続しました。その後、円安に転換しています。

2. 1999年~2000年の介入
1999年の市場介入開始後も円高の流れは止まらず、2000年になってようやく円安転換しました。

3. 2003年~2004年の介入
2003年の市場介入開始後も円高の流れは止まりませんでした。次第に介入額も劇的な大きさに膨れ上がっている様子が分かります。その後、2004年にピタリと市場介入がなくなりました。そして、なおも円高は継続していますが、2005年あたりから円安の流れになりました。

4. 2010年~2011年の介入
今だかつてない巨額の市場介入をしましたが、すぐに円安転換することはなく、円高傾向が継続しました。2012年後半になって、円安傾向に転化したことがチャート上でもはっきりと分かるようになりました。

以上の市場介入実績から、何が分かるでしょうか。

市場介入直後に効果が現れるわけではない

市場介入してから実際に円安トレンドに転換するには、時間がかかっています。

市場介入直後は、為替レートが円安方向に跳ね上がりました。しかし、その後じわじわと元のトレンドに戻っています。しかし、市場介入終了後しばらくすると、市場介入の効果が本格的に出てくるという流れでした。

市場介入終了後が買い時だった

市場介入終了後、しばらくしてから買うと、大きな利幅を得られたと分かります。利益額は100銭や200銭といった「細かい利益」ではありません。1,000銭単位の巨額な利益です。よって、市場介入終了後しばらくしてから、米ドル/円を買うという選択肢を検討したいです。

うまくいけば、それが最高の買い時になるかもしれません。

なお、外国為替平衡操作実績の左軸にはマイナスがあります。よく見ると、1998年にマイナス方向の市場介入をしています。すなわち、「円買いドル売り」です。このいつもとは逆方向の市場介入でも、介入後しばらくしてから効果が出ていることに注意です。

すなわち、円高トレンドに転換しました。この時期はアジア経済危機やLTCM破綻などがあったのですが、市場介入後にトレンドが変わったという事実は認識しておきたいです。

最後に、上の分析は、過去の情報に基づいています。よって、今後も必ずそうなるというわけではありません。資金を投入すると決めた場合は、少しずつトレードしましょう。

 

スワップ派を始める前
スワップ派開始後
スワップ派の知識