当サイトはスワップ派についての情報をお届けしています。このため、スワップ派に適さない通貨ペアについては情報が少なくなります。

スワップ派に適さない通貨ペアとは、たとえば、スワップポイントがプラスになったりマイナスになったりするものです。スワップ派とは長期間保有する方法ですから、スワップポイントがプラスになったりマイナスになったりしては都合が悪いです。勝負は時の運になってしまいます。

しかし、以下の通貨ペアのスワップポイントは大きくプラスです。

・南アフリカランド/円(ZAR/JPY)
・トルコリラ/円(TRY/JPY)

手に入る情報から考えると、近い将来にスワップポイントがマイナスになるようには見えません(もちろん、そうなる可能性はゼロではないですが)。

そこで、この2つの通貨ペアも積極的にスワップ派の対象にしたいところですが、特有のリスクがありますので確認しましょう。

主なリスク:新興国通貨である

注意点はこれに尽きますが、もう少し具体的に考えましょう。

リスク1:為替レートの変遷

スワップ派で怖いのは、買った後に円高になることです。十分なスワップポイント益を積み上げれば、円高になってもトータルでプラスを確保できます。しかし、円高で損した部分がもったいないです。

可能ならば、スワップポイントで利益を得ながら、同時に円安で評価益を確保したいです。ここで、トルコリラ/円(TRY/JPY)と南アランド/円(ZAR/JPY)の長期チャートをご覧ください。

新興国通貨ペアのチャート

トルコリラ円:
2005年は80円くらい、2018年初めは30円くらい(60%前後の円高)

南アランド円:
2005年は18円くらい、2018年初めは9円くらい(50%前後の円高)

いかがでしょうか。長期的に円高傾向が続いていることが分かります。恐らく特筆すべきは、2012年後半~2015年のアベノミクスによる円安時代でも、あまり円安方向に反応していないことです。この間、米ドル/円の動きは顕著でした。

米ドル/円:70円台→120円台(50%超の円安)

チャートで確認しましょう。2007年まで円安傾向でした。その後、サブプライムローン問題やリーマンショック等を経て、米ドル/円は70円台になりました。しかしその後、2015年末にかけて、120円台まで回復している様子が分かります。

米ドル円のチャート

しかし、新興国通貨はあまり円安になっていません。これは、スワップ派にとって厳しいデータです。円安になりづらい通貨ペアだということです。

リスク2:国家としての安定性

新興国と先進国の違いはいくつかあるでしょうが、そのうちの一つとして、国家としての安定性を挙げることができるでしょう。安定性とは、経済上のショックを受けても自力で回復する能力があったり、政治的な動乱が発生する可能性が低かったりすることです。

トルコや南アフリカは、先進国に比べればこれらの安定性がもう少しかもしれません。このリスクが顕在化すると、大きく円高になる可能性があります。

国家としての安定性が失われると、通貨価値も急速に失われます。価値が失われるような通貨を持ちたくないでしょう。お金は米ドルや円に逃げていくことになります。すなわち、円高です。

リスク3:FX業者が取り扱いを終了する場合

米ドル/円(USD/JPY)が取引できなくなる場面は、おそらくないと言えるでしょう。ユーロ/米ドル(EUR/USD)もそうです。しかし、トルコリラや南アランドは、FX取引そのものができなくなる可能性があるかもしれません。

実際、2008年のリーマンショックでは、アイスランドクローナ相場が消滅しました。その時点でポジションを持っていた人は、強制的に反対売買という結果になりました。

当時、南アランド円相場も消滅するか?という状況になりました。FX業者が、南アランド円の相場が消滅するリスクについて、頻繁にアナウンスするような状態でした。当時、南アランド円を買って長期保有していた人は、胃が痛くなるような日々を送ったことでしょう。

結局、南アランド円相場は、窮地を乗り切って現在に至ります。

今後どうなるか分かりませんが、新興国通貨については、相場自体が消滅する可能性を考慮する必要があるかもしれません。

新興国通貨ペアでスワップ派の取引をするのはアリか

新興国通貨ペアのスワップ派のメリットは、何と言ってもそのスワップポイントの大きさです。このメリットを目の前にして、何もしないというのは惜しいかもしれません。しかし、上の3点のリスクもあります。

そこで、少しでもそのリスクを緩和しうる方法(案)を下にご紹介します。

対策1:円高のときにスワップ派の取引を開始する

円高の傾向があると言っても、一直線に円高になっているわけではありません。円安傾向を示すときもあります。

そこで、円高傾向も終盤か?という兆候があるときにスワップ派の取引を始めます。こうして、円安の時に買って円高で困るというリスクを緩和します。

対策2:取引数量を少なく抑える

スワップ派の取引をしようと考えているとします。このとき、国家としての安定性が高い国の通貨をメイン投資先に設定し、新興国通貨の割合をごく少なくします。こうして、新興国通貨ペアで苦しい状況になっても、全体としては挽回可能にします。

また、新興国通貨ペアの割合を小さくすれば、新興国通貨相場がなくなるという非常事態になっても、資金全体が失われるという惨事を避けられます。

では、「ごく少なく」とはどれくらいか?です。これは、トレードする人のリスク許容度によりますので、一概に書くことができません。

リスク許容度が高い場合: 新興国通貨ペアの投資比率が比較的高くなるでしょう。
リスク許容度が低い場合: 新興国通貨ペアの投資比率が比較的低くなるでしょう。

対策3:為替レートがゼロになっても強制決済されない状態を目指す

これは、「強制ロスカットにならないスワップ派の超絶(?)テクニック(トルコリラ/円)」で書いた方法です。これが実現すると、スワップポイントがプラスである限り、どんなに円高になっても問題ありません。

1年や2年ではこの状態になりませんが、もともとスワップ派は何年もずっとポジションを持ち続けることを意図していますから、為替レートがゼロになっても強制ロスカットされない状態を目指すのは選択肢になるでしょう。

 

トルコリラ/円(TRY/JPY)
南アフリカランド/円(ZAR/JPY)
新興国通貨ペアのリスク
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