FXの長期トレードでスワップポイント獲得を狙うとき、スワップポイントがプラスになったりマイナスになったりするのは困ります。

最終的にスワップポイント合計額がどうなるのか分からないからです。

では、世界で最も取引量が多い通貨ペアであるユーロ/米ドル(EUR/USD)を使って、スワップポイント狙いのトレード(スワップ派)は可能でしょうか。過去データを使って考察しましょう。

米国とユーロ圏の政策金利推移

スワップポイントの大きさは、FX口座によって異なります。そこで、米国とユーロ圏の政策金利を比較することによって、スワップポイントの大きさを把握しましょう。

スワップポイントは、各通貨の短期金利差を元に決められます。そして、政策金利は短期金利に多大な影響を与えます。そこで、データを取得しやすい政策金利差を調査することで、スワップポイントの推移を予想できるというわけです。

下のグラフをご覧ください。2001年以降の米国とECBの政策金利推移です(ECBとは、欧州中央銀行のことです)。

ECBと米国の政策金利

このグラフを見ると、スワップポイントは常にプラス(またはマイナス)というわけではなかったと分かります。何年かごとに、プラスとマイナスが入れ替わっていることが分かります。

下のグラフは、この金利差をグラフにしたものです。ユーロ圏の政策金利から米国の政策金利を引いた大きさです。

ECBと米国の政策金利

プラスの場合もマイナスの場合も、3%を超えることがなかったと分かります。また、プラスとマイナスが何回も入れ替わっています。この結果から、ユーロ/米ドル(EUR/USD)を買って10年以上持ち続けるスワップ派は、難しいと分かります。

ただし、政策金利差が逆転するたびに、ユーロ/米ドルを買いから売りに変更したり、あるいは売りから買いに変更することにより、トレードが成功するかもしれません。

そこで、ユーロ/米ドルの長期チャートを確認しましょう。

ユーロ/米ドル(EUR/USD)の長期チャート

下のチャートは、2001年以降のユーロ/米ドル(EUR/USD)です。DMMFXからの引用です。

EURUSDの長期チャート

こうしてみると、2001年から2008年くらいまでは上昇、それ以降は2016年まで下落基調だったと分かります。政策金利差はプラスとマイナスが比較的頻繁に入れ替わっているのに対し、為替レートはトレンドが大きく入れ替わっているとは言えないようです。

政策金利差の入れ替え:
2001年~2004年末:プラス(ECBの方が高い)
2005年~2007年末:マイナス
2008年~2013年末:プラス
2014年~:マイナス
為替レートの大きなトレンド:
2001年~2007年末:上昇
2008年~:下落

以上の関係から、政策金利差がプラス(ECB政策金利の方が高い)ならばユーロ/米ドルを買う、その逆に、政策金利差がマイナスならばユーロ/米ドルを売る、というトレード方針の採用は難しそうです。

政策金利差と長期の為替レート

ただし、政策金利差と長期の為替レートに何の関係もないかと言われれば、一定の関係があるように見えます。

政策金利差は、2008年をピークにして低下しています。そして、ユーロ/米ドル(EUR/USD)も、2008年をピークにして低下(ドル高)になっているからです。

とはいえ、ユーロ/米ドルが2008年をピークに下落と言っても、上下動を繰り返しながらの下落です。下落で2,000pips進行、反発して2,000pips上昇という感じですので、政策金利差だけを使ったトレードは難しそうです。

よって、政策金利差の推移は、長期トレードのメイン指標としては使いづらいかもしれませんが、参考として利用できるでしょう。

ポジショントレードへの応用

スワップポイントの大きさと為替レートを比較すると、「買って長期で持つ」「売って長期で持つ」というスワップ派は、とても難しいと分かります。

ただし、ユーロ/米ドルの長期チャートをご覧いただくと分かりますとおり、「トレンドが長期間にわたって継続しやすい」という傾向が分かります。

もう一度、ユーロ/米ドルの長期チャートを見てみましょう。多くの場面で、トレンド相場になっていることが分かります。レンジ相場(ボックス相場)だと言えそうなのは、2015年を中心としたあたり(チャートの右側)です。

EURUSDの長期チャート

2008年から2014年にかけても、巨大なレンジだと言えなくはありません(チャートの中ほど)。ただし、レンジの上限と下限の差は2,000pips級もあり、レンジ内で上昇するとき・下落するとき、ともに半年ほど継続しています。

よって、日々のトレードにおいては、レンジというよりもトレンドという把握になるでしょう。

また、米国とユーロ圏の政策金利の差は、-3%~+3%の間に収まっています。このため、仮にスワップポイントで損失になる側であったとしても、数か月~1年程度ならば、ポジションを持ち続けて利食いを狙うことは十分可能でしょう。

スワップポイントがプラスになる側でトレンドができている場合は、さらにトレードしやすいと予想できます。

ユーロ/米ドル(EUR/USD)は、短期トレードだけでなく、ポジショントレードでも投資対象にできる通貨ペアだといえます。

 

長期の為替レートとスワップポイント