FXの最大の武器はレバレッジです。レバレッジとは、FX口座に入金した額よりも大きな金額で取引できることを言います。小さなお金で大きな売買ができるので、メリットが大きいです。
しかし、このレバレッジですが、上手に扱えないと私達を傷つけてしまうかもしれません。文字通り「取扱注意」「諸刃の剣」です。
レバレッジの利便性
レバレッジは、あたかも自動車のようです。
自動車は、安全運転で使う限り極めて便利な道具です。しかし、交通ルール無視で運転すれば、事故に遭う確率が高くなるでしょう。安全運転でも事故発生確率はゼロではないのですから、慎重な運転が求められます。
事故発生確率がゼロでないのに、なぜ自動車を使うの?に対する回答は、「そのリスクを大幅に上回る利便性があるから」でしょう。
事故発生に対する備えとしては、自動車保険があります。
レバレッジもそれと同じです。レバレッジも適切に使えば、とても効果的なツールになります。また、自動車よりもレバレッジのほうがリスクを管理しやすいので、気を付ければ自動車よりも安全だと言えるでしょう。
自己資金よりも大きな取引ができるということ
レバレッジを改めて確認しましょう。「FX口座に入金した金額よりも、取引額の方を大きくできる」ということです。
これを理解するのは大変なことかもしれません。今持っているお金よりも高い価格の物を買おうと思えば、借金するしかありません。レバレッジとは借金なのでしょうか?借金ならば、その金利を支払う必要があるのでしょうか?
しかし、レバレッジは借金ではありません。
株式取引(信用取引)の場合
借金して取引する場合の代表例は、株式の信用買いでしょう。信用買いは、証券金融会社などから資金を借りて、株式を買います。よって、借り賃である金利を支払います。また、借りているので、返済期限があります。
信用売りの場合は、株式を借りて売ります。よって、株式の借り賃が必要になります。
FXのレバレッジの場合
一方、FXのレバレッジ取引の場合、FX業者からお金を借りることなく取引できます。そして、返済期限もありません。と言いますのは、FXの場合、取引開始時や決済時に現物を移動することがなく、取引の結果だけを口座に反映する仕組みだからです。
レバレッジの仕組みは、以下の通りです。
1.取引開始時
取引を始めるために、米ドル/円を買うとしましょう。しかし、米ドルを買うといっても、実際に口座に米ドルが振り込まれるわけではありません。また、同様に、口座から円が減るわけではありません。計算上、米ドル/円を買ったことにします。
2.決済
取引を終了するために決済すると、いくらかの損益が出ます。この記事の例では、取引開始時に米ドル/円を買いました。取引を終了(決済)するときに、円安になっていれば、利益です。逆に、円高になっていれば、損失です。
取引を終了した結果、損益が確定します。この段階になって初めて、口座の証拠金が増減します。
レバレッジ取引の具体例
具体的に考えましょう。FX口座に10万円入金しました。そして、1米ドル100円で2,000ドル(20万円分)買ったとします。このときのレバレッジは2倍です(20万円 ÷ 10万円 = 2)。
ここで、米ドルを買ったのですが、実際に現金のやり取りはしません。よって、口座の円が米ドルに変わってしまうことはなく、依然として円のままです。円を売って米ドルを買うのですが、顧客にとって、それは計算上の話にすぎません。
1.勝つとき
1ドル100円から110円に円安になったとしましょう。2,000ドルを円に戻します。
110円×2,000ドル=22万円です。
もともと20万円分の米ドルを買いました。そして、それを売って22万円を得ました。差引2万円の利益です。2万円をFX業者からもらいます。
2.負けるとき
1ドル100円から90円に値下がりしたとしましょう。2,000ドルを円に戻します。
90円×2,000ドル=18万円です。
もともと20万円分の米ドルを買いました。そして、それを売って18万円を得ました。差引2万円の損失です。私たちの口座から、2万円が減ります。
レバレッジはできる限り低くしたい
FXでは、自己資金よりも大きな取引をしても構いません。損してしまうときに、その損失額を自己資金から支払えればOKですよ、という取引です。
ということは、FX口座に小さな額を入金して、実際は大きな額を取引可能ということです。この方法で大きく稼ぐことができれば、とてもハッピーです。
しかし、一攫千金でレバレッジを100倍にしてみよう!というのは、できません。上限があります。日本の場合は25倍までとなっています。また、大きく負けてしまうときには残念な結果が待っています。そこで、レバレッジは適切に管理しましょう。
自動車運転の場合は、どんなに注意しても大事故に遭ってしまう可能性があります。しかし、FXのレバレッジは、安全運転を心がければ破産を回避することが可能です。
この点で、利益とリスクのバランスを取りやすい商品だと言えるでしょう。
当サイトでは、スワップポイント獲得を狙う取引の場合、レバレッジは2倍程度未満にすべきだと考えています。
高レバレッジで構わない場合
ただし、高いレバレッジで構わない場合もあります。それは、スキャルピングやデイトレードをする場合です。スキャルピングの場合、1回の取引で得られる利幅は数pips~10pipsでしょう。
これだけ利幅が小さい場合、レバレッジを高くしないと資産がなかなか増えません。
そこで、確実な損切りが必要になります。低レバレッジでも同様ですが、損するときに確実に損切りして、大損しないようにしましょう。小さな損ならば、次があります。しかし、市場から退場するような大損になると、トレードを続けられないかもしれません。
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