ループイフダンに限らず、トラリピなどでも、円高になると「儲からない」という話がウェブサイト上に出てきます。おそらく、円を売るトレードをしているときに、想定以上の円高になってしまったのでしょう。
そこで、ループイフダンで儲からないというのは回避できることを考察しましょう。
豪ドル/円(AUD/JPY)の日足チャート
下の日足チャートは、アイネット証券からの引用です。期間は2016年4月から7月半ばまでです。
チャート右側で大きく円高になっている部分があります。これは、イギリスの国民投票結果を受けた値動きです。相場が大きく動揺して円高になりました。
豪ドル/円(AUD/JPY)が82円近くまで円安になったのに、その日のお昼までに73円まで下落したのですから大変なことです。値幅にして9円(900銭)近い円高です。
円売りのループイフダンを実行していた人の中には、この値動きでやられてしまった人がいるかもしれません。
損するパターンを考察してみよう
ここで、どのように損するパターンが形成されたか、下のチャートで考えてみましょう。赤の補助線と数字を追加したチャートを使います。
赤の四角部分で、為替レートが狭い範囲で上下動しています。ボックス相場です。比較的狭い範囲で動いていますから、80銭ごとに買い注文を出すようなループイフダンでは、なかなか利食いできません。
20銭ごとに買い注文を出す設定を選べば、どんどん利食いを繰り返してくれたでしょう。
そこで、今までは80銭ごとに買うループイフダンを選んでいたという人が、20銭に乗り換えたというパターンがあるかもしれません。あるいは、狭い範囲で値動きを繰り返して利食いしますから、あたかもこのままボックス相場で推移し続けると錯覚した人もいるかもしれません。
この場合、十分な証拠金を準備しないままトレードした可能性もあるでしょう。
証拠金が不十分だったとしましょう。そして、チャートの1でイギリス国民投票がやってきました。すると、一気の円高で今までの利食い額を全て放出してしまい、さらに損失を出して終了・・・ということになりかねません。
しかし、2の通り、為替レートは再びボックス相場と同じ位置に戻ってきました。
強制ロスカットまたは大損で終了とならないような証拠金を準備していれば、イギリス国民投票で利食いをどんどん繰り返してくれたかもしれません。損で終了か、それとも利食いの繰り返しを継続できるか。この差はとても大きいです。
では、どうすれば良いのか?対策は?
では、どうすれば良いでしょうか。上のチャートから言えるのは・・・
ということでしょう。ここでは70円としましたが、もっと円高になっても大丈夫な証拠金を準備すれば、さらに安全度が高くなります。
ループイフダンのメリットの一つは、「相場を読む必要がない」ことです。しかし、証拠金額が不十分だと、ある程度円高になったところで強制ロスカットになってしまいます。すなわち、そのような円高になるかどうか、相場を読まなければなりません。
証拠金が少ないというのは、ループイフダンのメリットを自ら消している可能性があります。
このため、大きな円高になっても耐えるような設定や証拠金でループイフダンを実行することが大切でしょう。
ループイフダンのシステムそのものは優秀です。あとは、それを操る人が安全運転することが大事ということになります。自動車の運転と似ているでしょうか。
必要な証拠金はいくら?
安全度を高めるには証拠金を多くするか、取引設定を緩やかにします。例えば、2,000通貨で取引したいけれど1,000通貨で我慢するといった具合です。
では、必要な証拠金は具体的にいくらでしょうか。アイネット証券はこの目安を公開しています。下の通りです(豪ドル円の場合、1万円未満四捨五入)。
値動き | 20銭 | 40銭 | 80銭 |
---|---|---|---|
15円 | 84万円 | 41万円 | 20万円 |
20円 | 137万円 | 68万円 | 34万円 |
25円 | 203万円 | 100万円 | 50万円 |
30円 | 281万円 | 140万円 | 69万円 |
為替レートの値動きの大きさが15円(1,500銭)と想定するとき、取引数量1,000通貨で20銭ごとに注文する場合、必要証拠金は84万円です。かなり大きいと分かります。
一方、値動きの大きさは同じ15円でも、80銭ごとに注文する場合に必要な額は20万円となります。
20銭ごとに発注する方が、80銭ごとよりも数多くの利食いを繰り返してくれるでしょう。しかし、安全を得るために必要な資金は、80銭ごとの方が少なくて済むと分かります。
アイネット証券のホームページには、値動きの大きさを1円とする場合なども書いてあります。しかし、ループイフダンは、取引を開始したら放っておけることがメリットです。このメリットを最大限に享受しようとするとき、上の表くらいの証拠金があった方が安心だということになります。
ただし、取引開始時にこの金額が必須だというわけでもないでしょう。というのは、日々の値動きで利食いしますから、利食いで得た資金をFX口座に残すことにより、証拠金として使うことができるからです。
【公式サイト】アイネット証券
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