スワップポイント狙い(スワップ派)で取引しようと考えるとき、どれくらいの投資資金があれば効果的でしょうか。2つに分けて考える必要があるでしょう。
2.自分の金融資産全体に対する投資資金の割合
順番に考えていきます。
投資資金の前に、目標金額の設定
投資資金の額を考える前に、簡単で構わないのでスワップポイント益の目標金額を設定しましょう。スワップポイントは日々変わりますし、年単位で考えると、スワップポイントはさらに大きく変化します。よって、目標額と実際の利益額は異なるのが常です。
そこで、現在のスワップポイントが今後も継続すると考えて、試算すれば良いでしょう。
あるいは、過去10年間くらいの推移をチェックします。その平均値あたりで試算すると、正確さが高まります。
過去10年以上のスワップポイントの推移につきましては、「スワップポイントと長期チャート」をご確認ください。主要通貨ペアについてデータをまとめています。
目標金額を、1年間で12万円にしたとします。1か月で1万円です。すると、1日あたり330円くらいです。
豪ドル/円でスワップポイントを狙う場合
スワップポイント狙いのトレード(スワップ派)で人気がある通貨ペアの一つに、豪ドル/円(AUD/JPY)があります。この通貨ペアの1万通貨あたりのスワップポイントが、1日50円だとします。
すると、330円を毎日稼ぐには、66,000通貨を買う必要があります。
豪ドル/円=90円だとすると、投資額は66,000通貨×90円=5,940,000円です。レバレッジを2倍に設定しますと、必要な投資資金はおよそ300万円です。
毎日330円を確保するのに必要な投資資金が、300万円です。とても多いという印象です。この額をポンと出せるならば、あとはこのスワップ派のトレードを実行するかどうか、の判断になります。
レバレッジを2倍でなく3倍にすれば、200万円を準備します。必要な資金が大幅に減ります。
しかし、為替レートが90円のときにレバレッジ3倍にすると、為替レートが60円くらいまで円高になるとき、強制ロスカットの危機になります。下の長期チャートは、豪ドル/円です。60円前後になることが時々あるので、注意が必要です。
円高になるのを待つ
あるいは、必要な投資資金を減らすために円高になるのを待つ、という選択肢もあります。例えば、豪ドル/円=70円まで円高になれば、必要な投資資金は大きく減ります。
レバレッジ2倍のときの必要額:231万円
レバレッジ3倍のときの必要額:154万円
豪ドル/円の円高記録は、55円くらいです。よって、今後この記録が破られないと考えるならば、レバレッジ3倍でも大丈夫という判断になります。円高になると、レバレッジが多少高い取引も可能になります。
毎日のスワップポイント獲得額を減らす
その他、毎日のスワップポイント獲得額を減らせば、必要な投資資金も小さくできます。
1日のスワップポイント獲得額を、100円に減額するとしましょう。この場合、豪ドル/円(AUD/JPY)を20,000通貨買うことになります。豪ドル/円が90円のときの投資額は、20,000通貨×90円=180万円です。
レバレッジ2倍ならば、投資資金は90万円で大丈夫です。
豪ドル/円が70円の時に買えば、レバレッジ2倍で必要な投資資金は70万円となります。
先ほどよりも小さな数字になりました。必要な資金をもっと減らしたいときは、取引数量をさらに減らしたり、円高になるのを待ったりします。
自分の金融資産全体に対する、投資資金の割合
次に、自分の金融資産と投資資金の関係を考えます。最初の例で、300万円を支出できると仮定しましょう。このとき、金融資産は全部でいくらあるでしょうか。
例えば、1億円持っているという場合です。このとき、300万円は全体の3%です。よって、スワップ派のトレードが失敗して投資資金を失っても、ダメージは小さいと考えられます。
しかし、金融資産の総額が、400万円だったとします。このときは、300万円を投じるのはやり過ぎです。
投資は元本保証ではありませんから、予想が外れて損する場合を考えなければなりません。仮に300万円全てが失われる事態を想定すると、大変なことです。
この場合は、投資額を300万円よりもずっと小さくする必要があるでしょう。どこまで小さくするかについては、投資する人のリスク許容度によります。
少しずつ資金を投入する
以上の通り考察すると、資金力がない人は取引できない、ということになりかねません。
実際のところ、いきなり働けなくなっても生活できるように、いくらかを貯蓄で保有する必要があります。その金額を超えた部分が、FXに投入できる額になります。
そこで、貯蓄しつつ、FXにも少しずつ資金を投入する方法が考えられます。いきなり300万円は難しいけれど、毎月1万円ならできる、という具合です。この場合は、円安の時は少しだけ買い、円高になったら大きめに買うという調整ができます。
結果として、購入レートの平均値を引き下げることができます。さらに、スワップポイントを毎日獲得できます。その分も、投資資金として考えることができます。
FXの投資資金のまとめ
以上、スワップ派で必要な投資資金について、2つの視点から確認しました。
視点2:自分の金融資産額に占める、投資資金の割合
1番目の視点と2番目の視点、いずれが欠けてもリスクが高くなります。投資に絶対はありませんから、慎重に投資プランを練りましょう。
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