ニュージーランドは2015年6月に政策金利をわずかに引き下げましたが、それでも3.25%という高金利です。スワップ派としてはとても魅力的です。というのは、先進諸国でこれだけの高金利を得られる国が他にないからです。
しかし、これからニュージーランドドル/円(NZD/JPY)でスワップ派を始めるのは、悩むかもしれません。というのは、為替レート水準が円安にあるからです。将来に円高になる可能性があるかも?と考えると、なかなか手が出ないかもしれません。
そこで、ニュージーランドドルを含む他の通貨ペアを考えてみましょう。例えば、ニュージーランドドル/米ドル(NZD/USD)です。
米国は、いつ政策金利を引き上げるか?という状況ですが、その水準は0%~0.25%と極めて低水準です。また、現在得られる情報から考えると、仮に政策金利を引き上げるとしても、そのペースはとてもゆっくりになると考えられます。
そこで、NZD/USDのスワップ派が可能かどうかを考えましょう。
NZD/USDの超長期チャート
下のチャートをご覧ください。
長期チャートですから現在のレートが読みづらいですが、この記事を投稿した時点のNZD/USDは0.67台です。0.67という数字を過去20年程度の超長期の範囲で考えると、安値水準だということは難しいかもしれません。しかし、高値であるとも言えないでしょう。
そこで、スワップポイントの状況が良好ならば、NZD/USDでスワップ派の取引を検討することができます。超長期のスワップポイントを確認することができませんので、政策金利で代用しましょう。
政策金利はスワップポイントに大きな影響を与えますから、政策金利差がすなわちスワップポイントの大きさだと考えてみます。
ニュージーランドと米国の政策金利比較
下のグラフをご覧ください。両国の政策金利推移です。
2001年からのデータではありますが、過去15年程度にわたって、常にニュージーランドの政策金利がアメリカを上回っていたことが分かります。すなわち、NZD/USDを買って持っていれば、スワップポイントはプラスだろうと考えることができます。
2007年~2008年には、サブプライムローン問題やリーマンショックなどの影響で、政策金利が大きく低下しました。
しかし、NZD/USDは依然としてプラスのスワップポイントを保っていたと予想できます。リーマンショック後でも2%程度の差がありましたから、ポンド/円(GBP/JPY)やユーロ/円(EUR/JPY)を買って持つというスワップ派よりもずっと有利でした。
NZD/USDのスワップ派戦略
今後もNZD/USDのスワップポイントはプラスを維持し続けると仮定します。
そして長期チャートを見ると、現在のNZD/USDは下落トレンドにあるといえそうです。ということは、投入可能な資金を全て使ってNZD/USDを買うのは得策でないように思います。(もちろん、今が底値だと思えば、今しっかり買うという選択肢が検討できます。)
そこで、いくつかの方法を考えましょう。
1. 少しずつ買う
為替レート水準はこれからも下がると予想するものの、どこまで下がるか分かりません。また、今が底値かもしれません。そのように考える場合は、今少し買って、為替レートが下がったら再び少し買っていくという方法が考えられます。
あらかじめ、合計でどれだけの数量をどのレートで買うべきかを考えておきましょう。そうしないと、最終的に必要な資金量が不明になってしまいます。
2. ひたすら待つ
これも有力でしょう。もっと為替レートが下落することに賭けるのです。予想が外れて為替レートが反転上昇してしまう場合は、あきらめて別の通貨ペアを検討します。
3. 今買う
この選択肢もあるでしょう。ただし、為替レートが下落して含み損になる可能性がありますので、レバレッジは低く抑えましょう。当サイトでは、レバレッジは最大でも2倍だろうと考えています。