スワップポイント獲得を目的に、長期で通貨ペアを保有したとしましょう。いわゆるスワップ派です。含み益になれば素晴らしいですが、含み損になっても仕方がないと諦めます。
長期保有しますので、いつか円安になることに期待です。
しかし、含み損がとても大きくなってしまって苦しいとか、含み損があるのはどうしても耐えがたいとか、そのような場合もあることでしょう。
そこで今回は、含み損を減らしながらスワップ派を継続する方法を考察します。
含み損を減らす方法
その方法は、以下の通りです。
スワップポイントがある程度蓄積したら、その利益の範囲内で、含み損を抱えているポジションを決済します。
含み損ポジションを決済した時点の為替レートから、さらに大きく円高になった時点で、再びポジションを建てます。
上の2つを、順に確認しましょう。
含み損ポジションを少しずつ決済する
獲得したスワップポイントの範囲内で、含み損ポジションを少しずつ決済していきます。すると、利益と損失が打ち消しあって、損失なしでポジションを減らせます。
ただし、課税方式の違いにより、対応が少し異なります。
課税方式の違い
ポジションを持っていると、スワップポイントを毎日もらえます。このスワップポイントに税金がかかるかどうか?です。2種類の課税方式があります。
その2:ポジションを決済していなくても、スワップポイントに課税される
その1の方が有利です。
例えば、20年間ポジションを維持するとすれば、納税は20年後でOKだからです。その1のタイプのスワップポイントを、未実現スワップポイントと言います。詳細は「未実現スワップポイントとは」でご確認ください。
未決済ポジションのスワップポイントに税金がかかる場合
その2の場合から考察します。今は、含み損を抱えていて苦しい状態です。にもかかわらず、スワップポイントについて税金を支払いなさい!という恐ろしい事態です。
この状態を回避しましょう。
含み損ポジションの一部を決済して、含み損を実現損にします。ただし、年間スワップポイント益との合計が、少しプラスになるくらいにします。こうすれば、年間利益は大きく減りますので税金を支払う必要がなくなり、また、含み損ポジションを減らすことができます。
また、為替レートがさらに下落しても、決済したポジションについては、もう含み損が増えることはありません。
・含み損ポジションの数量が減少
・年間利益も減少(ただし、マイナスにしない)
・税金支払いを回避できる
この方法を繰り返していけば、時間の経過とともに、全てのポジションがなくなります。そして、実現損もないという状態になります。
全てのポジションを決済するには時間もかかりますし、とても根気が必要な作業です。しかし、含み損に苦しんでいる場合は、検討に値する方法でしょう。
ポジションを決済した後で、スワップポイントに税金がかかる場合
一方、ポジションを決済しなければスワップポイントに税金がかからない、という場合は、対応が大きく異なります。
特定のポジションについて、含み損の大きさとスワップポイントの大きさが同じになったら決済します。
米ドル/円を110円で買ったとします。現在のレートは90円ですから、20円分の含み損です。スワップポイントは、為替レート換算で15円分確保しました。しかし、まだ5円分のマイナスです。
この場合は、そのポジションをずっと保有し続けます。
そして、スワップポイント益と含み損が釣り合うあたりになったら、そのポジションを決済します。年をまたいでも、スワップポイントに課税されまないからできる方法です。
課税されるとしたら、スワップポイント益の20%を毎年納税しなければなりません。トータルで損しているのに。
というわけで、「ポジションを決済した後で、スワップポイントの税金を払えば良い」というFX口座が有利です。特定のFX口座がどちらに該当するかにつきましては、「FX口座比較:未決済ポジションのスワップポイントに課税されるか」でご確認ください。
含み損状態から、反転攻勢を狙う
上で紹介しました方法は、最終的に損失をゼロ近辺で抑えようという方法です。積極的に攻めて勝利を勝ち取ろう!という方法ではありません。
そこで、上の方法で損失を回避または限定的にしながら、反転攻勢を狙う方法をご紹介します。
上で紹介しましたトレードで、含み損があるポジションを決済しました。そうしたら、その決済したレートよりもさらに大きな円高になった時点で、新規にポジションを構築します。そして、再びスワップ派の再開です。
110円で買い
95円で損切り…。
しかし、85円で再び買う
このメリットは、以下の通りです。
メリット:決済してから新規に買うまでの距離について、含み損を発生させない
含み損を減らすために、上の方法でポジション数を減らしたとしましょう。この結果、110円で買ったポジションを95円で損切りしたとします。次に、損切りした数量と同じ数量を、85円のレートで買えたとしましょう。
すると、10円分得をした!ということになります(高値で売って、安値で買い戻しているから)。
スワップポイント益で含み損ポジションを決済する場合、損切りの順番を待っているポジションが、まだまだあるかもしれません。
すると、95円から85円に円高になる過程で、さらに含み損が増えているという計算になります。しかし、95円で損切りできた分については、含み損が増加することがありません。さらに、円高の位置で、以前と同じ数量だけポジションを持つことができます。
メリット:気持ちを新たにスワップ派で勝負できる
含み損が大きくて口座にマイナス表示がある場合と、ポジションを作り直して含み損がゼロの場合を比較しましょう。気分が違うはずです。
気分はお金に直接関係するものではないかもしれません。しかし、トレードするのは、感情を持った人です。感情が行動を大きく左右します。このため、「気持ちを新たにトレードできる」というのは、投資行動においてプラスの影響を期待できるでしょう。
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