このシリーズでは、スワップポイントを使った複利運用を考えます。いきなり複利運用で試算しても良いのですが、比較の対象があったほうが理解しやすいです。

そこで最初に、複利運用しない場合【単利運用】で試算しましょう。

単利運用でスワップポイント狙い

単利運用とはすなわち、ひとたび取引を開始したら、何もしない運用方法です。私たちは、投資信託をするにしても、長期投資で株式を買う場合も、買ってからは基本的に何もしません。

株価のチェックをすることはあっても、長期保有の場合、「下落しそうだからここで売って、実際に下落したら買い直そう」と行動する人は少数派だと思います。

スワップポイント狙いのトレード(スワップ派)でも、買ってそのまま放置することができます。

単利運用の試算例

ここで、単利運用の試算例を、以下の通りとしましょう。安全重視で、レバレッジは2倍とします。

取引数量: 10,000通貨
為替レート: 90円(取引額90万円)
レバレッジ: 2倍(証拠金45万円)
スワップポイント: 1万通貨当たり1日50円

この場合の結果は、以下の通りです。

1年目のスワップポイント: 50円×365日=18,250円(年間利益率:4.06%)
2年目のスワップポイント: 50円×365日=18,250円(年間利益率:4.06%)
3年目以降も同じ

毎日のスワップポイントが50円で一定ならば、毎年得られるスワップポイント益も、18,250円で一定です。

実際のスワップポイントの大きさ

しかし、実際のスワップポイントは毎日変動します。そこで、豪ドル/円(AUD/JPY)を使って、過去の実際のスワップポイント益の推移を確認しましょう。

スワップポイントの大きさは「くりっく365」から引用しました。

通貨ペア:  audjpy-flag 豪ドル/円(AUD/JPY)
取引レート: 86.35円(2006年1月3日始値)
取引数量: 10,000通貨
レバレッジ: およそ2倍(証拠金43万円)

スワップポイントの利益は以下の通りです。

2006年: 48,554円(利益率:11.3%)
2007年: 55,640円(利益率:12.9%)
2008年: 50,739円(利益率:11.8%)
2009年: 22,676円(利益率:5.3%)
2010年: 34,136円(利益率:7.9%)
2006年~2015年合計: 350,595円(利益率:81.5%)

年によって、スワップポイント益が大きく異なることが分かります。2007年のスワップポイントの利益率は、12.9%もありました。レバレッジ2倍でリスクを抑えることを重視した取引方法にもかかわらず、です。レバレッジを3倍や4倍にしていたら、とても大きな利益率だったことが分かります。

当時、スワップ派はとても人気がありました。この数字を見れば、その理由が簡単に分かります。

しかし、2009年にはスワップポイント益が急減しています。リーマンショックの余波を受けて、スワップポイントが激減したことが原因です。急減したといっても年率5.3%の利益です。大きな数字だと言えるでしょう。

そして、2006年から2015年までの10年間で得られたスワップポイント合計額の利益率は、81.5%です。10年で81.5%の利益率ですから、とても良好な投資方法だということができるでしょう。

グラフで確かめる

では、この様子をグラフで確認しましょう。試算例の数字も同じグラフで表示しています。2006年を1年目と置き換えて読んでください。

simple-interest-audjpy

試算例はスワップポイントを一定値としたので、水平な直線になっています。一方、豪ドル/円の実際のスワップポイントは、金利状況を反映して大きく上下動しています。

試算の数字はあくまで試算であり、現実とは大きく異なります。この試算では現実よりも小さな数字を出していますが、大きな数字を使えば、現実離れした試算を出すことも可能です。

今後のスワップポイントでどれだけの利益を得られるか?ですが、これは相場状況次第です。このため、試算は参考程度に考えて、一喜一憂せずにのんびり構えていくことが必要でしょう。

単利運用のメリット

当サイトは、スワップポイントの複利運用を視野に入れています。それは、より多くの資金を獲得したいからです。獲得したスワップポイントを使ってさらにスワップポイントを得るのは、魅力的です。

しかし、単利運用にもメリットがありますので確認しましょう。

相場状況が悪化しても大丈夫

スワップポイントを使って新規にポジションを作る場合、為替レート変動の影響を受けます。期待と反対方向に動けば、含み損になります。

長期的に運用しますので、含み損になっても構いません。しかし、気持ちの良いものではありません。

一方、単利運用の場合、獲得した資金は口座に保管されていて、相場から離れています。よって、為替レートがどれだけ暴落しようとも、そのスワップポイントが減ることはありません。これがメリットです。

FXを始める際、最初に自己資金を入金しています。自己資金は価格変動リスクにさらされています。よって、そこから得た収益はリスクにさらさないで、安全に保管したいというニーズもあるでしょう。

こういう場合、単利運用が選択肢になります。

 

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