日々のスワップポイントの大きさが変化する原因を、考えましょう。大きく分けると、原因は2つに絞られます。
原因を知っておくと、スワップポイント狙いのトレードを始めても良い時期、始めるべきでない時期が分かりやすくなります。
為替レートとスワップポイントの関係
最初に、為替レートとスワップポイントの関係を調べます。下の枠で囲った例で考えましょう。日本の方が金利が低いという仮定です。
為替レート: 100円
上の例で、10,000通貨当たりの毎日のスワップポイントを計算しますと、137円くらいになります。計算式は、以下の通りです。
100円 × 10,000通貨 × 5% ÷ 365日 = およそ137円
では、金利差は同じままで、為替レートだけが50円に急速に円高になったとしましょう。この時の毎日のスワップポイントはいくらになるでしょうか。
50円 × 10,000通貨 × 5% / 365日 = およそ68.5円
毎日のスワップポイントの大きさは、半分になってしまいました。スワップポイントの大きさが半分になってしまった理由は一つです。「為替レートの水準が半分になってしまった」すなわち、「大幅に円高になった」ということです。
逆に、金利差は同じままで、為替レートだけが200円に円安になるとします。このとき、日々のスワップポイントは274円くらいに上昇します。2倍くらいです。よって、以下の関係が分かります。
・円安になるほど、スワップポイントは大きくなる。
・円高になるほど、スワップポイントは小さくなる。
金利差とスワップポイントの関係
次に、為替レートを一定にして、金利差を変化させてみましょう。
為替レートは100円のままで、内外金利差が5%から半分の2.5%になったと仮定します。このときの毎日のスワップポイントはどうなるでしょうか。
100円 × 10,000通貨 × 2.5% / 365日 = およそ68.5円
金利差が5%のとき、毎日のスワップポイントは137円くらいでした。金利が半分になると、スワップポイントは半分になりました。逆に、金利差が10%になる場合も確認しますと、毎日のスワップポイントは2倍くらいになります。
・金利差が大きくなるほど、スワップポイントは大きくなる。
・金利差が小さくなるほど、スワップポイントは小さくなる。
リーマンショック前後のスワップポイント
以上の通り考えますと、スワップポイント狙いという視点でいえば、円安と金利差拡大が同時に実現するのが望ましいです。
しかし、ある日を境に、スワップポイントの大きさがいきなり小さくなってしまう。そんな事件のような例がありました。2008年のリーマンショックです。
下のグラフは、「くりっく365」で米ドル/円を1万通貨買った場合の、毎月のスワップポイントの大きさを示したものです。2008年までとそれ以降で、毎月のスワップポイント益の大きさが全く異なることが分かります。
2006年~2007年ころ:毎月4,000円台の獲得
2009年~2015年まで:毎月数百円まで激減
この理由ですが、スワップポイントが小さくなる原因2つが同時に発生してしまったからだ、と考えられます。
1 円高
2 金利差の縮小
先ほどの計算例で、為替レートと金利差が同時に半分になってしまう場合を試算しましょう。下の計算式の通り、為替レートと金利差が両方とも半分になると、137円くらいだったスワップポイントは、34円くらいに減ってしまいました。
50円 × 10,000通貨 × 2.5% / 365日 = およそ34.25円
リーマンショックでは、これに似たことが起きたということです。
スワップポイントが大きくなるには
ということは、上の2つの原因が解消されれば、スワップポイントは大きくなると考えられます。
スワップポイントで稼ごうと考える場合、内外の金利差に注目することが多いでしょう。しかし、為替の水準も、スワップポイントの大きさに影響を与えます。
1 円安
2 金利差の拡大
ここで考えたいのは、「円安のときにスワップポイント狙い(スワップ派)をすればよいのか?」です。
確かに、円安の時に取引を始めれば、スワップポイントは大きいです。しかし、取引開始時に円安ということは、将来円高になりやすいかも?ということでもあります。
円高になると、含み損になってしまいます。
そこで、可能ならば、円高水準にあるときにスワップ派を始めることが望ましいです。円高での開始ですから、当初のスワップポイントの大きさは小さい可能性があります。
しかし、将来円安になるときの含み益の増大と、円安実現後の大きなスワップポイントの両方を獲得できるように期待します。
逆に、円安のときにスワップポイント狙いを始める場合は、円高に警戒する必要があります。取引数量をできるだけ小さくして、円高になる場合の意警戒を強めましょう。
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