世界で注目を集める経済指標の一つに、米雇用統計があります。その理由は、経済指標発表と同時に、あるいは経済指標発表直前から、為替レートが激しく変動することがあるからです。

このため、米雇用統計は、超短期の視点で重視されることがあります。しかし、米国経済の長期的な推移を考える上でも、重要な指標です。すなわち、スワップ派にとっても重要な指標です。

そこで、米国雇用統計で為替レートが大きく動く理由、データの取得方法、読み方などを考察していきます。

米雇用統計発表時、為替レートが激しく変動する理由

米国雇用統計発表時、為替レートが大きく動くことがあります。市場予想と実際の公表値の差が大きい場合があることが、理由の一つでしょう。

雇用統計は労働関係の重要指標ですから、必然的に注目度が高くなります。

そして、市場予想を元にトレードする人々が参加したり、予想と実績値に大きな差が出ることを狙ってトレードする人がいたり、注目度が高いという理由でトレードに参加したり・・・このような積み重ねによって、為替レートが大きく動いているのかもしれません。

予想と実績の差が大きい理由

なお、市場予想と公表値の差が大きくなってしまう理由ですが、米雇用統計の数字の作り方が原因かもしれません。

米雇用統計の数字は、各企業の申告した数字を積み上げて作ります。いつまでに雇用状況を申告しなさいという申告期限があるのですが、調査対象の全社が守るわけではないでしょう(守っても利益にならないでしょうし)。

また、各企業で人を採用するかしないかは、企業ごとに判断基準が大きく異なります。

米国全体について、その集計がどうなったか予想しなさい!と言われても、それは難しいです。このため、予想が外れてしまう・・・ということかもしれません。

米雇用統計データの見方・読み方

このサイトはスワップ派に特化していますので、スワップ派の観点から米雇用統計の使い方を考えましょう。

米雇用統計はここを見よう: 長期的な推移を確認することが重要

米雇用統計で発表された数字が市場予想と違っていて、為替レートが大きく動いた場合でも、月足で見ればほとんど影響のない動きだった、ということが多いです。

このため、長期的に見る習慣を身につけましょう。例えば、過去10年以上の結果をグラフ化するといった具合です。

すると、市場予想とは関係なく、米雇用統計の数字が悪いときには米国の景気も悪いな、といったことが見えてきます。毎回の雇用統計を控えてドキドキする必要もないということです。

米雇用統計のグラフ

下のグラフは、米雇用統計の結果を棒グラフにしたものです。2010年からの表示ですが、月ごとに振れ幅が大きいので、単月の結果で考えるのに向かない統計です。

米雇用統計

そこで、移動平均のグラフを見てみましょう。下は、6か月移動平均です。6か月にする必然性はないので、3か月でも10か月でも構いません。

米雇用統計

移動平均にすると、米国の雇用情勢が分かりやすいです。2008年のリーマンショックを受けて、雇用は大幅に減少しました。しかし、2010年に入り、プラスに転換しました。その後、おおむね順調に推移していることが分かります。

新規雇用が、毎月20万人前後増えていることが分かります。

米雇用統計のデータ取得方法

では、米雇用統計のデータを取得してみましょう。

1 米国労働省のホームページにアクセスします。
米国労働省が、雇用統計の集計や発表をしています。
→ 米国労働省ホームページ(雇用統計発表のページ)

2 「非農業部門」のデータを取得します。
雇用統計を考える場合、”total nonfarm”(非農業部門)の季節調整済みの数字が重視されます(下のキャプチャで、赤丸で囲った部分)。赤丸部分にチェックを入れます。

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このページを見ると、米雇用統計と一言で言っても、その内容は極めて多岐に渡ることが良く分かります。よって、別の項目を研究することも重要かもしれませんが、最初は基本をおさえましょう。なお、キャプチャは全て、米国労働省ホームページからの引用です。

3 ”retrieve data”をクリック
下のほうにずっとスクロールします。すると、最下部に”retrieve data”の文字がありますので、それをクリックします。retrieve dataとは、データを取得するという意味です。

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4 データを取得できます。
下の画像の通り、データを取得できます。なお、最新の数字とその前の数字に「P」の文字が追加してあります。これは、速報値という意味です。翌月の雇用統計発表時に、修正値が発表されます。

取得した表には、有用なツールがいくつかあります。確認しましょう。

米雇用統計

1: ここをクリックしますと、取得したデータをエクセルでダウンロードできます。
表を加工したり、グラフを作ったりするには、エクセルが便利です。

2: データ取得期間の設定
取得したいデータの期間を設定します。1939年以降のデータを取得できます。数字を入力したら、右にあるGOの文字をクリックすればOKです。

3: グラフ
数字で見るだけでは分かりづらい、グラフがほしい、という場合に便利です。”include graphs”にチェックを入れて、右側にあるGOをクリックしましょう。グラフが出てきます。

4: 年平均の数字を表に入れる
“include annual averages”にチェックを入れてGOを押せば、下の表の一番右に年間平均の欄が追加されます。

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