米国経済の重要指標の一つに、失業率があります。この数字が上昇すると、失業者が多くなるということです。すなわち、改善すべきということになります。

逆にこの数字が低ければ、失業者が少ないということです。経済運営はうまくいっているといえるでしょう。そこで、米失業率の読み方を概観します。

米国の失業率推移

米国の失業率の推移を確認しましょう。下のグラフは、2010年~2018年のグラフです。

米失業率

米国の完全雇用状態は5%程度だろう、と言われることがあります。

失業率が5%なのに「完全雇用」とはどういうこと?ですが、自分の意志で失業している人が5%くらいいるということです。たとえば、より良い待遇を求めて会社を辞めた、などがあります。彼らを除けば、完全雇用が達成されています。

その視点で、上のグラフを確認しましょう。2008年のリーマンショックで、一気に10%になりました。その後、失業率は緩やかな低下傾向にあります。2018年現在は4%前後にまで低下しています。

完全失業率の5%程度という数字は、ここ数年は当てはまらない可能性があります。完全雇用となる失業率を正確に計算するのは、困難です。そこで、様々なデータから予想することになります。

なお、職を探すのをあきらめてしまった人は、失業率の計算に含まれません。このため、実際の失業率はもっと高い可能性があります。しかし、上のグラフの期間、米国経済が改善していることは明らかでしょう。

1994年以降の米失業率

ちなみに、1994年以降の米失業率の推移は、以下の通りです。

完全失業率(完全雇用となる失業率)が5%くらいだと言われていた理由が、何となく分かります。また、2008年のリーマンショックの影響がいかに大きかったかも、良く分かります。

米失業率

上のグラフから言えそうなのは、米国では過去25年で最も失業率が低いということです。景気が良いことを示しています。

失業率と雇用統計の数字はどちらが正しい?

例えば、ある月の米雇用統計で、新規雇用者数が増加したとします。一方で、同じ月に発表された失業率も上昇したとします。

この場合、米国の経済情勢は改善しているのでしょうか。していないでしょうか。また、どちらかの指標に欠陥があるのでしょうか。あるいは、両方に欠陥があるのでしょうか。

長期的には二つの指標が進む方向は同じだとしても、注目度が高い指標だけに、単月でも方向が違ってしまうと「いったいなぜだ?」と考えてしまうかもしれません。

そこで、この二つの指標の推移をグラフで確認しましょう。

米失業率と米雇用統計のグラフ

赤線は、雇用者数の前月比増減の6か月移動平均です。このデータは月ごとの振れ幅が大きいので、6か月移動平均にして読みやすくしました。メモリは右で、単位は千人です。

失業率は左目盛り(%)で、上のグラフと同じものです。

米失業率と米雇用統計

2010年からのデータですが、長期的にみて、雇用者数は増加傾向、失業率は低下傾向です。二つのデータは整合的です。この二つのデータに矛盾はないように見えます。

しかし、短期的に見ると、それぞれの指標が逆方向に動くことがあります。下のグラフは、2012年から2013年までの2年間を抜き出したものです。

米失業率と米雇用統計

左半分で、米雇用者数増減の伸びが落ちているのに、失業率は低下しています。グラフの右側でも同様です。雇用者数の伸びが小さくなるなら、その分だけ失業率が高くなるのでは?と考えてもおかしくありません。

この逆転現象を、どう説明するか?です。

この回答としてはおそらく、「経済指標の算出方法が異なるのだから、短期的には違いが出ても仕方がない」です。よって、経済指標を考えるときは、単月の数字も重要でしょうが、長期的な視点から眺める習慣をつけたいです。

上のグラフから言えそうなのは、1年間や2年間程度で比較するのは不適切で、10年程度以上で比較した方が良いだろうということです。

失業率データ取得方法

米国の失業率データ取得方法は、以下の通りです。

1 米国労働省のホームページにアクセスします。
米労働省が失業率の集計や発表をしています。
→ 米国労働省ホームページ(失業率のページ)

2 失業率のデータを選択します。
下のキャプチャの、赤丸部分「Unemployment Rate – LNS14000000」にチェックを入れます。そのほかにも、年齢別の失業率や失業者数などのデータを取得することができます。

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3 ”retrieve data”をクリック
下のほうにスクロールしていきますと、”retrieve data”という文字がありますので、それをクリックします。retrieve dataとは、「データを取得する」という意味です。

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4 データを取得できました。
下の表のようにデータを取得できます。なお、1~4部分について、下に注釈を書きます。

米失業率

1 エクセルでデータを取得できます。
2 取得したいデータの期間を選択できます。
3 数字だけでなく、グラフを見ることができます。
4 年平均の欄を追加できます。

1~4で数字等を変更しましたら、右上にある「GO」をクリックしてください。新たにデータを取得できます。

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